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10/3 22:16 卒寿を迎えたおじいちゃん。

私の尊敬するおじいちゃんへ。
お誕生日おめでとう。卒寿だね。90歳だね。
自分より、60歳くらい年上なんだよ。大大大先輩だね。
そんな話をしたら、「すごいね」って返してくれるんだろうな。

三男として生まれた自分は、昔から駄々をこねる性格で
自分の自慢話を、たくさんしたがる性格だから迷惑をかけちゃったね。
そんな自分をこれなく愛してくれて、大切に思ってくれてありがとう。

おじいちゃんはね。スピーチの天才なんだ。
小学校の運動会で、みんなの前でスピーチをしていたのを覚えてるよ。
「はああい!」と母音を厚く伸ばしたような声が、身長の高かった自分が並んでいる場所でも聞こえてきて。
「あ、じいちゃんだ。」って、すぐにわかるような声で。
他の人は、はっきりとした返事の中で母音を伸ばした返事は、先生に怒られるんだろうけど一番綺麗な返事にも聞こえたな。

日の陽射しが照りつける土の校庭に、マイクを通してじいちゃんのトークが響き渡る。
完璧な掴み。自分達にもわかりやすい言葉を使って、ゆっくりと。
これが、じいちゃんのトークの秘訣なんだ。自分も真似しないと。
でも、じいちゃんのトークに追いつくには時間がかかりそうだよ。
もう一度聴きたいな。みんなを自分の世界に誘うようなトーク。

昔軽快なトークを見せていたおじいちゃんも、今は寝たきりの生活。
90歳になって、身体が思うように動かなくなっても
日高屋のラーメンを、お腹いっぱい食べられなくなっても。
いつまでも自分の誇りのおじいちゃん。
初任給をもらった時に、嬉し涙と共に喜んでくれた
誰よりもかっこいいおじいちゃん。
大学の卒業証書を誰よりも輝いた目で眺めていたおじいちゃん。
幼稚園の時、自転車の後ろに乗せて通園させてくれたおじいちゃん。

いつまでも元気でね。
もう元気なおじいちゃんの姿には戻れないけども
今のこの時間を大切に。感謝の言葉を忘れずに。
三男の孫より。


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