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中学1年「仏の銀蔵」【遵法精神、公徳心】の指導案はこうする!

こんにちは。
今日は
中学1年「仏の銀蔵」【遵法精神、公徳心】の指導案はこうする!
このテーマで教材解説をします。

「働き方改革」が教育界でも叫ばれています。
教師の仕事はとても多く、
多忙です。

教師の本来の仕事はなんなのか、
忘れてしまうほどです。

しかし、そもそも「働く」ことは
どんな意味があるのでしょうか。

働く意義について、
考えていきましょう!

では、解説です!

1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ

順番に解説します。


1 教材について

C 主として集団や社会との関わりに関すること
「遵法精神、公徳心」
目標・・・・・法やきまりの意義を理解し、それらを進んで守るとともに、そのよりよい在り方について考え、自他の権利を大切にし、義務を果たして、規律ある安定した社会の実現に努めること。

「仏の銀蔵」(光村図書)
昔々、銀蔵という高利貸しがいて、
生活に苦しむ人たちに金をかしては、
信じられないほどに高い利子をつけて、儲けていた。

ある日のこと、一羽のカラスが舞い降りてきて、
銀蔵の団子をついばんで、飛び去った。

なんと、借金の証文つづりがカラスの足にからまり、
あっという間にカラスと一緒に空に消えてしまった。

証文つづりがないと、借金の取り立てができないので、
銀蔵は必死で探し回った。

取り立てができなくなりがっかりしている銀蔵のところに、
「証文つづりが欲しければ、15日亥の刻、
賽銭箱に20両入れ、地蔵堂の鈴を鳴らすこと」と
不思議な手紙が届きました。

銀蔵は20両を賽銭箱に入れたが、証文つづりは返ってこなかった。

銀蔵は、20両も貸す金もなくなり、
とうとう食べるものを求めて、
農民の家を回り始めた。

さすがに、人々は哀れに思い、
銀蔵に米や野菜をわけてやるようになった。

しばらくして、証文つづりがないのに、
銀蔵に借りた金を返すものが現れた。

銀蔵は思い切って、なぜ証文もないのに、
借金を払うのか尋ねた。
人々は
「お天道様が見てござる」と答えた。

「そうか、お天道様か」と膝を打った。 

2 内容項目と教材

解決策はいらない

1つだけ注意をしましょう。

「◯◯すればいい」と、方策を模索をしてはいけません。

道徳は、行為ではなく行為を生む心を考える教科です。
行為に注目して、方策を考えることは、
道徳的価値に迫る話し合いになりにくいからです。

例えば
「銀蔵はどうすればよかったのか」と聞くと、

・利子を低くすればいい
・みんなに謝る
・証文を探す
などの意見が出てくるでしょう。

これは、発問が悪いですね。
「どうしたらいいか。」と聞くと、
方策を答えるしかないからです。

でも、銀蔵に罰を与える立場で罰則を考えることは、
道徳の授業ではほとんど意味がありません。

現実的ではないし、話が飛躍しやすいからです。
あくまでも子どもたちは、イチ市民です。

そうであるなら「自他の権利を大切にする」
さらに発展して『自分も人も気持ちの良いルール』
みんなで考えるほうが、
よりよい生活につながっていくことでしょう。

ポイントは想像力

「遵法精神」で大切なポイントはズバリ、想像力です。

・自分がこの行動をしたら、その後どうなるのか。
・みんなが同じ行動をしたら、どうなるのか。
と、まだ起こっていない未来を想像することが大切です。

銀蔵は、自分のことだけを考えて
人から高い利子をとっています。

自分の未来のことは考えていますが
他人のことは考えていないのです。

これは、視野が狭く、
自分本位な行動と言わざるを得ません。

・高い利子で金を貸すと人が困ること
・銀蔵自身の信用がなくなること
これらのことを、銀蔵は想像していなかったのです。

銀蔵は、証文がなくなって困ります

この時の銀蔵の頭の中を考えてみるのも面白いですね。
・人のことを想う心はないのか
・また人からお金を取ろうと思っている気持ちはどれぐらいあるのか

これらは全て、自分の世界の中で想像しています。
想像をして、よくない未来の方が大きくなってきたので、
自分の思いを「聞いてもらわないと気が済まない」状態になったのです。


この「想像力」は、全ての規則(ルール、きまり)に言えることです。

例えば、『ろうかは走らない』というきまりがあったとします。
このきまりを守るために、どんなことを想像すればいいのでしょうか。


・次の角から、人が飛び出してくるかもしれない。
・走ったら転ぶかもしれない。
・教室から勢いよく出てきた人と避けきれずにぶつかってしまうかもしれない。
こういったことを想像して、きまりを守ろうという意識になるのです。

「遵法精神」は想像力
このことにまとめが収束していくといいですね。

3 導入

T:教師 C:子ども

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