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中学2年「民主主義と多数決の近くて遠い関係」【真理の探求、創造】の指導案はこうする!

こんにちは。
今日は
中学2年「スカイツリーにかけた夢」【真理の探求、創造】の指導案はこうする!
このテーマで教材解説をします。

きまり、ルール、規則。
身の回りにはたくさんあります。
例えば、
○ゴミは回収日に出す。
○車は車道を走る。
○人の傷つくことを言わない。
など。
これらのきまりは、なぜできたのでしょうか。
必要だったから、でしょうが、
必要でなかったら、
できなかったのでしょうか。
きまりは、なぜあるのか。
きまりがあることで、困ることはないのか。
きまりを作る前に、できることはないのか。
そんなことについて考えていきましょう。

では、解説です!

1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ

順番に解説します。


1 教材について

C 主として集団や社会との関わりに関すること
「遵法精神,公徳心」

目標・・・・・法やきまりの意義を理解し、それらを進んで守るとともに、そのよりよい在り方について考え、自他の権利を大切にし、義務を果たして、規律ある安定した社会の実現に努めること。

「民主主義と多数決の近くて遠い関係」(光村図書)
民主主義とは何かを考えてみる。

民主主義にとって、何よりも大切なのは、全員にとって何が望ましいかという視点で、十分に「話し合う」こと。

例:クラス全員で劇を見に行くという課外活動がある

「ガリバー旅行記」と「不思議の国のアリス」の2択

ガリバー旅行記は、クラス35人中10人が少し前に見ている。
不思議の国のアリスを見た人はいない。

しかし、多数決をとると
ガリバー旅行記を見たい:20人
不思議の国のアリスを見たい:15人
となった。

ただし、クラスにとって望ましいのかという視点でみると、ガリバー旅行記は10人がすでに見ているので、「不思議の国のアリス」が望ましいと言えるのではないか。

民主主義における多数決とは、全体にとってよりよい案は何かという視点で考えたうえで、多数の意見に従うもの。
万一、その議論に問題があっても、全員で向き合う努力が必要。

2 内容項目と教材

解決策はいらない

中学生ともなると、こういった公民の要素も入った道徳の教材が扱われるようになります。
こういった教材は、子どもにとって身近な話題なので、
考えやすい引っ掛かりがたくさんあります。
そのため、議論が盛り上がりやすいです。

ただし、1つだけ注意をしましょう。

「◯◯すればいい」と、
方策を模索をしてはいけません。

道徳は、行為ではなく行為を生む心を考える教科です。
行為に注目して、方策を考えることは、道徳的価値に迫る話し合いになりにくいからです。

例えば、「みんなが納得する決定方法はなんだと思う?」と聞くと、

・無記名で投票して多数決
・選択した理由を長く書く
などの意見が出てくるでしょう。

これは、発問が悪いですね。
「どうしたらいいか。」と聞くと、方策を答えるしかないからです。

でも、クラスの担任になったつもりで方法を考えることは、
道徳の授業ではほとんど意味がありません。

現実的ではないし、話が飛躍しやすいからです。
また、実際には無記名で投票しても、論理的で納得する理由に流されやすいし、文章表現がうまい人の意見に流されてしまうかもしれません。
こういったことも踏まえて、現実的に考えなければなりません。

あくまでも子どもたちは、一人の人間です。
ほとんどの人が「選択をする」立場です。

そうであるなら、「自分も含めて納得する結果を探る心」
さらに発展して、『民主主義で大切な心』をみんなで考えるほうが、
よりよい生活につながっていくことでしょう。

ポイントは想像力

「遵法精神」で大切なポイントはズバリ、想像力です。

・自分がこの行動をしたら、その後どうなるのか。
・みんなが同じ行動をしたら、どうなるのか。
と、まだ起こっていない未来を想像することが大切です。

教材の例で言うと、ガリバー旅行記を見た人たちは、
自分たちのことだけ考えれば、もう一つの「不思議の国のアリス」を見たい、となりますが、見ていない人たちのことを想像すると、必ずしも
「見たからアリスがいい」という考えにはならないかもしれません。

・2回目を見たい人がいるかもしれない
・自分たちがたまたま見ただけだから、ガリバー旅行記をとても見たい人がいるかもしれない

これらのことを、想像する必要があるのです。

「想像力」は、全ての規則(ルール、きまり)に言えることです。

例えば、『ろうかは走らない』というきまりがあったとします。
このきまりを守るために、どんなことを想像すればいいのでしょうか。

・次の角から、人が飛び出してくるかもしれない。
・走ったら転ぶかもしれない。
・教室から勢いよく出てきた人と避けきれずにぶつかってしまうかもしれない。
こういったことを想像して、きまりを守ろうという意識になるのです。


「遵法精神」は想像力
このことにまとめが収束していくといいですね。

3 導入

T:教師 C:子ども

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