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共に学ぶ仲間をライバルと見ない

2024年5月9日
 瞬く間に四月は終り、五月。本の原稿の締切が迫り、毎日書かない日はないが、はたして書き上げられるか心配になってきた。
 過日、孫が遊んでいる時に転倒し、口の中を三針縫う怪我をした。こんなことがあるとしばらく心配で何も手に着かなくなる。痛かったであろうが、処置の間泣かなかったと聞いて安堵したのだが。
 8日は日赤受診。採血したところ、結果がよくなくて、来月受診することになった。2006年以来ずっと二カ月毎に受診してきたが、一ヶ月後にくるようにといわれたのは初めてである。
 もう長く夜よく眠れず朝方まで起きていることが多いのだが、最近は『寅に翼』を見るために朝早く(早くないけれど)起きることにしている。
 ドラマでは試験に落ちて次の試験の日までの一年の長さは実感できないが、絶望的に長い。一年勉強すれば必ず次は受かるという保障はないからである。
 修士論文の口頭試問の一週間前に、雪道で転倒して足を捻挫したことがあった。医師に試験の話をしたら試験は諦めるようにといった。でも、諦めるわけにはいかなかった。松葉杖をついて試験に臨んだ。哲学科の教授は皆私を見て驚いたように見えた。私の指導教官の藤澤令夫教授は最近手術を受けたばかりだった。病人が病人を鞭打つことになる、と先生は笑った。口頭試問は、地獄の責め苦のようだった。
 発表の日、大学の掲示板を見に行ったが、皆が進学できたわけではない。私は掲示板に名前があるのを確認して、その場を離れた。帰り道、これから掲示板に行く同期の友人を見かけた。結果を知っていた私は彼に声をかけることができなかった。
『虎に翼』を見ていて驚くのは、試験に臨む皆が互いをライバルと見ていないことである。試験である以上、合格できない人がいるのは当然だが、事情があって試験を受けられなかった人、試験に合格できなかった人がいたので、寅子は自分は合格したものの手放しで喜べなかっただろう。
 4月20日に書いたラジオ放送というのはNHKの『ラジオ深夜便』。時間は5月14日午後十一時台とのこと。介護のことは『悩める時の百冊百話』でも何冊かの本に関連づけて書いた。巡り合わせで母と父の看護、介護ができたことは今になって思うとありがたいことだと思う。


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