ベリーベストがM&A仲介会社を作った理由

ベリーベストグループについて

ベリーベストグループは、ベリーベスト法律事務所を中核に、税理士法人ベリーベスト、社会保険労務士法人ベリーベスト、ベリーベスト国際特許事務所からなる総合士業グループです。
弁護士を中心に、税理士、社会保険労務士、弁理士、司法書士、行政書士などおおよそ400名程度の士業が所属しています。



ベリーベストM&Aアドバイザリーを設立した理由

ベリーベストグループでは、2023年11月に株式会社ベリーベストM&Aアドバイザリーを設立、2024年4月より本格的な稼働に入る準備をしています。
代表取締役は私が務めます。


伴走型M&A仲介の実現

ベリーベストM&Aアドバイザリーが目指すM&Aは伴走型です。
これは、税理士事務所や法律事務所がグループにあるがゆえに実現可能な構想です。
税理士として、お客様企業のM&Aに多く携わってきました。
その中で、もうちょっと時間を掛ければもっと高く売れたのではとか、そんなに買い急がないでくれ、と思うことが多々ありました。
顧問税理士として私が忠告すると半分は聞いてくれましたが、半分は聞いてもらえず、「お客様のためにもっとお役に立てたのでは」と悔しい思いをすることが多々ありました。
原因を考えると、M&AがM&A仲介会社によって主導されていることが要因だと考えるに至りました。
それでは自分たちでM&Aの仲介会社を作ればいいという思いからの設立になります。
現状、M&Aの仲介会社はかなりの数があります。一説によると4,000社程度だそうです。しかし、一般的なM&A仲介会社には次の弱点があります。

  1. 既存M&A仲介会社の弱点1~キャッシュポイントがM&A成約時
    もちろん、着手金や中間金を受領する既存M&A仲介会社はありますが、売上のほとんどはM&A成約時に依存します。
    ということは、既存M&A仲介会社はM&Aを成約させることに必死です。もちろん売主、買主の意向は大事にすると思いますが、それでも成約を急ぐ傾向にあります。私も税理士としてお客様のM&Aに多く携わってきましたが、そんなに急ぐ必要はないんじゃないと思うこともしばしば。
    なんでそんなに急いでいるのかと原因を追究すると、やはり既存M&A仲介会社が急がせているという印象でした。
    既存M&A仲介会社の給与体系は、ざっくり言えば次のような感じです。

    M&Aで得た年間報酬×30%-自分の月給×12か月=決算賞与

    この算式で決定されますから、当然にお客様から報酬を得たいに決まってますし、また、計算期間がありますから早く賞与をもらうためには計算期間が終了するまでになるべく多くの成約を目指します。
    となると、機が熟していないのに成約を急がせるということにもなるわけです。
    ベリーベストM&Aアドバイザリーの1号受託案件は、4年後に会社を売却するという案件です。このような足の長い案件は既存M&A仲介会社では対応できません。成約が4年後になりますから、報酬は4年後にずれ込んでしまうからです。次に詳しく書きますが、最近の既存M&A仲介会社の社員は一攫千金を夢見る方が多いですから、4年後に成約するような案件はやりたくないのです。
    ベリーベストM&Aアドバイザリーの受任1号案件は4年後をターゲットとし、4年後の税金を考慮した売り手手取り額の最大化をデザインします。
    株主の整理、来るべきデューデリジェンスに向けた整備、毎年デューデリジェンスを行うことにより価値最大化のための施策を講じ、M&Aを迎えます。これらのコンサルティングはベリーベストM&Aアドバイザリーはもちろん、税理士法人ベリーベスト、ベリーベスト法律事務所、社会保険労務士法人ベリーベストがサポートします。恐縮ながら士業法人はコンサル料を頂戴しますが、これで価値の最大化が図れるなら必要なコストだと思います。
    既存M&A仲介会社=売り急ぐ
    に対し、
    ベリーベストM&Aアドバイザリー=長期でも伴走する
    ができるのはこのような理屈です。

  2. 既存M&A仲介会社の弱点2~専門外コンサルタントの増加
    大変失礼ながら、既存M&A仲介会社のM&Aコンサルタントのクオリティがどんどん落ちていると感じます。
    M&Aの件数が年々増える→M&A仲介会社がどんどん増える→アドバイザーがどんどん増える
    という流れで、M&A仲介コンサルタントがどんどん増えています。
    私も税理士として数多くのM&Aに携わってきましたので多くのM&Aコンサルタントと出会ってきました。
    正直なところ、昔は、「M&Aのコンサルタントはすげえな、こりゃ多額の報酬取って当たり前だわ」って思ってました。ところが数年前から、「あれ?? この人、M&Aわかってないんじゃないか??」ということが増え、最近は「素人じゃん。」と思うことの方が多くなりました。
    素人ながらも夜討ち朝駆けで頑張っているということは目に見えるのですが。。
    ひどい例になると、M&Aは成立させたけどアフターフォローがまったくできてなくて、なぜか顧問税理士やデューデリジェンスをしたという立場の私が頼られ、M&A後の後始末をすることもしばしばあります。
    M&A業界は、日本にある数少ない一攫千金が狙えるビジネスです。
    大手のM&A仲介会社の最低仲介料は2,000万円、それも売り手、買い手の双方からもらいますから、1取引で最低4,000万円は売上が立ちます。
    上にも書いた通り、コンサルタントの取り分は30%ですと、1取引で自分の賞与が1,200万円になるわけです。
    これは夢がある。(もちろん空振りも多いでしょうからそんなシンプルな話ではないということもよく知っています)
    夢がある業界は、優秀な人が集まりやすいという反面、言葉を選ばずに言えば金の匂いに群がってくる人たちが多いのは事実です。
    以前はM&Aコンサルタントは元々その業界にいた方とか、証券会社、銀行、監査法人など、ふむふむという経歴の方が多かったんですが、今は、「え!?!?、漫画家だったんですか?」(さすがにこれはフィクションだけど)とか、M&Aとなんの関係もなく、M&Aどころか経営わかってるの??っていう方がたくさん増えた。
    単に金の匂いに釣られてきたっていうか。
    そりゃ、生きる上で金は大事だと思いますが、そんな人に大事なお客さんの会社が売られるかと思うと顧問税理士としては忸怩たる思いになるんですよ。
    なので、以前はお客様からM&Aの相談があれば既存M&A仲介会社への紹介一択だったんですが、自分たちが関わったほうがいいと判断したら自分たち、すなわちベリーベストM&Aアドバイザリーで対応しようと思うに至ったわけです。
    一方で、顧問税理士といて既存M&A仲介会社に紹介をしないかというとそんなつもりもありません。既存M&A仲介会社の中には、例えばクリニックだけに特化しているなどの業種特化型みたいな専門性の高いところもありますし、大手の既存M&A仲介会社は買い側のリストをたくさんもってますから、税理士顧問のお客様からの要望を勘案し、ベリーベストM&Aアドバイザリーで対応させて頂くのか既存M&A仲介会社を紹介するのかの判断をしたいと思っています。もちろん、伴走型のM&Aにご興味頂いた顧問外のお客様も対象です。実際に第1号受託案件は税理士事務所の顧問客ではありません。
    ベリーベストM&AアドバイザリーのM&Aコンサルタントは、グループ外からの採用とグループ内での転籍を予定しています。
    外部採用については、まずは私が知る方だけにお声がけしようと考えています。元々M&Aコンサルタントをやっていた方で、一緒に仕事をしたことがある方が大前提。引き抜きではありません。M&A業界は流動性がとても高いゆえ、退職しましたというご挨拶をしてきてくれる方がとても多いのです。その方々の中から、理念を共有できる方のみにお声がけをし、採用しようと考えてます。既に2人の経験者が採用できました。もちろん理念共有済みです。
    グループ内からの転職者は、主に税理士か弁護士で、事業承継のコンサルタントをやっていた税理士と弁護士を中心にピックアップしようと思っています。この理由は次に書きます。

  3. 既存M&A仲介会社の弱点3~M&Aありき
    当たり前と言えば当たり前なんですが、既存M&A仲介会社はM&Aありきです。
    ところが、ベリーベストM&Aアドバイザリーは違います。
    本当は「ベリーベスト事業承継」みたいな会社名にしたかったんです。
    事業承継という言葉は、「親族内や従業員への承継、外部への承継(M&A)」を包括しています。しかしながら、事業承継という言葉は一般にあまりなじみがないことから、事業承継という言葉を諦め、一般の方にもわかりやすいようにという思いから「M&Aアドバイザリー」という社名にしました。
    つまり、私の中では、「M&Aアドバイザリー=親族内や従業員への承継、外部への承継(M&A)」ということなのです。
    先に、M&Aコンサルタントとしてグループ内の税理士や弁護士で事業承継に携わってきた者を転籍させると書きました。
    特に長い間会社を経営してきた社長さんとしては、身内とか従業員に承継してもらいたい、でも息子は違う仕事をしているから継がないというし、従業員にも任せられる人がいないと考えた結果、M&Aを選択する人が多いです。
    つまり、M&Aは最終手段なのです。
    M&Aに向けての話し合いを行っていく中で、ベリーベストM&Aアドバイザリーは親族内や従業員への承継可能性はないかも同時に考えます。
    親族内や従業員への承継へのボトルネックは何なのかを考え、そのボトルネックが解消できるようであれば親族内や従業員への承継へピボットすることができるのがベリーベストM&Aアドバイザリーです。
    これはバックボーンが総合士業事務所であるからこそできることです。仮に親族内や従業員への承継へ移行したとしても我々はそこもキャッシュポイントになります。既存M&A仲介会社は親族内や従業員への承継では基本的に売上は立ちませんのでM&Aで突き進むこととなり、大きな違いがあります。

終わりに

ベリーベストM&Aアドバイザリーは、ベリーベストグループのお客様にはもちろん、幅広いアドバイスが欲しいというお客様にも対応させて頂こうと思っています。
ぜひ、お気軽にご連絡ください。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?