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【こんな映画でした】61.[フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法]

2021年 9月25日 (土曜) [フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法](2017年 THE FLORIDA PROJECT アメリカ 111分)

 ショーン・ベイカー監督作品。初めて。舞台となるモーテルの管理人をウィレム・デフォー(撮影当時61歳、5.6本は観ている。[ミシシッピー・バーニング]では若かった)。ここで住む(住まざるをえない)貧困層の中でも母子家庭3組の親と子どもたちが主人公。

 その中心は6歳のムーニーの母親ヘイリー(ブリア・ヴィネイト、撮影当時23歳、初めて)。全身にタトゥーを入れ、無職。定職に就く気がないのか、就けないのか、ともかくその日暮らし。しかしそこでも子どもたちは底抜けに明るく、毎日をイタズラとともに楽しく過ごしている。

 だが、ここにも大人の世界の問題が入り込んでくる。ラストシーンは母親ヘイリーが警察の取り調べを受けることになり、ムーニーは保護施設に連れて行かれようとする。が、逃げ出し、友だちのジャンシーの家へ行き、彼女とともに逃げていく。その先にあるのがディズニーランドというわけだ。その人ごみの中に紛れ込んでいくのをロングで撮って、終わる。

 しかしこのようなアメリカの底辺層・貧困層を徹底して描くアンハッピーエンドの映画を今どき作るとは。それは今も進行中の現実の姿なのだろう。誰からも相手にされない、政治的にもセイフティネットがないに等しい状況だ。ある程度は貧しい者どうしが助け合うところもあるが、一旦、何か事件があるとたちまち手を引くことになる。止むを得ないことだ。まずは自分たちの生活があるのだから。

 ヘイリーもそれなりにお金を稼ごうとするのだが、最後の行き着く果ては女性の特性を発揮するしかないという悲しい現実に。もちろんムーニーには分からないのだが。なおそのシーンは、ムーニーがバスタブの中で一人遊びをしている状景だけを映している。

 とまれ、フロリダのディズニーランドの近くでの話。道理でディズニーのディスカウントショップがあったわけだ。私はこの話が、フロリダのディズニーランドの近くのこととはまったく気が付かずに観ていた。

 あと調べてみると「フロリダ・プロジェクト」の「プロジェクト」には、「低所得者向けの公共住宅」の意味があるとのこと。ただムーニーたちは、そこにも入れず、割高なモーテル住まいということになる。ちなみにここでは一日35ドル。ひと月にすると日本円で10万円以上だ。

2022年 4月 7日 (木曜) [フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法](2017年 THE FLORIDA PROJECT アメリカ 111分)

 ショーン・ベイカー監督作品。この映画は昨秋(2021年 9月25日 (土曜))観たもの。この程、購入。二回目でも、最初と同様のショックを受ける。
 ま、何と言っても子役ムーニー役のブルックリン・キンバリー・プリンスが凄い。子役には大人は勝てない。母親ヘイリーはブリア・ヴィネイト。迫力がある。あとは概ね、前回観た時同様の感想を今回も持った。

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