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木勢佐雪創作小説集。
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記事一覧

ヘビーリスナーさんへのDM

初めまして。私はラジオ局で制作補助のアルバイトをしている学生です。夜の生放送で、リスナー…

木勢佐雪
4年前
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A・F GAME

「助かったのは見た目で分かりにくいこと」 「ゲームの設定が本当になる前はそれが苦しかった…

木勢佐雪
4年前
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【掌編小説】あたしは大人になれそう

あたしと姉は、二人とも良い子とよく褒められた。姉は素直に喜んだ。でも、あたしは姉と自分で…

木勢佐雪
5年前
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【掌編小説】友だち母娘

聡美と眠子は「友だち母娘」と、よく言われていた。聡美は眠子に理解を示し、眠子がやりたいと…

木勢佐雪
5年前
7

【掌編小説】テレパシーが出来ない民族

謝罪をまだ、あなた方はおっしゃっていません。謝罪を、傷つけられた私たちが乞うなんて、可笑…

木勢佐雪
5年前
6

【掌編小説】それは寛容なのではない

「寛容な御両親ですね」 と、福祉の窓口や支援施設に相談に行くと、そのようによく言われる。…

木勢佐雪
5年前
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【小説】マゼンタ/シアン/イエロー

 スーツ姿を見たのは大学の卒業式以来だった。  印刷の依頼に保険会社から営業の方がいらっしゃるのは事前に幸畑さんから聞いていた。この工場はデスクワーク用のスペースを通らなければ応接室に行けない作りなのだ。ここで働いている他の人すべてではないが、少なくとも私は事前に聞いていない来客があると、すごく緊張して仕事が滞る。そうならないようにの配慮である。  梅津くんは私に気がついて挨拶をしてくれた。私は、彼がすぐに応接室へ行かなくてはならないと思っていたので、素早く会釈だけを返して顔

【小説】逆毛の仔猫

粗大ごみ置き場にいた。多分、すぐ横のリサイクルショップの敷地だ。アスファルトの上に、ブラ…

木勢佐雪
5年前
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【小説】自慢?

福田は一枚のコメントペーパーを読みふけっていた。担当教員が教える教養科目の講義で、学生に…

木勢佐雪
5年前
7

【小説(過去作品)】大釈迦の竜

「芙沙(ふさ)。竜の作り方ば教えてける」  と大伯母に言われ、芙沙はしぶしぶ、山について行…

木勢佐雪
4年前
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