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ルピナスやまどろむ居間に汽車の音

時々近所でも見かける薄紫のルピナスですが、元々は明治時代に緑肥として輸入されたものだそうです。豆科の植物で古くは古代ギリシャにもその名が出て来るほど歴史のある植物です。地中海沿岸地方では茹でたルピナスビーンズ(黄花または白花ルピナス・葉おうぎ豆)が昔からビールのつまみとして愛されていました。ルピナスはフランス語ではルパン(Lupin)です。そんな訳で小説の原作ではアルセーヌ・ルパンの隠居した家の庭にはルピナスが咲いていたそうです。日本語では葉扇豆ほおうぎまめの他に「昇り藤」と言う別名もあります。これは多分、平安時代に栄えた「藤原家」の家紋「上り藤」から連想されたものだと思います。確かに花房を二つ使って丸い形にするとまさに上り藤の家紋になりますね。でも平安時代の日本にルピナスがあるはずもなく、藤原家の繁栄を表すものとして藤も下がらないことになったのでしょうね。そう言えば家紋が出来たのは平安時代で牛車が誰のものかわかるように独自の文様を付けたことが始まりと言われています。当時繁栄した貴族と言えば藤原氏、多分上り藤の御紋の牛車があちこちに見られたのでしょう。

ルピナスやまどろむ居間に汽車の音

はるか昔のことです。多分まだ小学校に上がったか上がらないくらいの頃だと思います。まだ夏休みと言う時期ではないのに母の実家に連れて行かれた弟と私は無理やり居間で昼寝をさせられていました。それでも天気のいい日だったのかいつの間にか寝てしまい汽車の音に目が覚めたそんな記憶が蘇って来ました。

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