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首尾一貫感覚に、西洋占星術が役立つかも?

人の心は傷つきやすい。けれど、心は本来、自力で回復していける力を持っている。困難を乗り越えて行く心の快復力を、「レジリエンス」という。

レジリエンスの新概念、進化形とも言える考え方に、「首尾一貫感覚」というのがある。
SOC(Sense of Coherence センス・オブ・コヒーレンス、コヒアレンスとも)、ストレス対応力とも呼ばれる。
コヒーレンスは物理学の言葉で「波の干渉性」のことだが、心理学のほうの意味は「一貫性」。本来の意味は、「すべての部分が調和している状態」。

首尾一貫感覚も、いろいろな特徴を持ち(ときには矛盾していても)、さまざまな経験を積んできた(良いことも悪いことも含め)自分自身が、首尾一貫して「自分」として調和していると思える感覚を言う。
そんなこと誰でも当たり前と思えるかもしれないが、不幸なときはこの首尾一貫感覚がゆらいでいる。

「本当の自分はこんなじゃない」
「周りに振り回されて自分を失っている」
「理不尽な目にあって納得できない」
「自分が生きている意味がわからない」

そうではなく、自分なりに意味あるものとして自分の人生を生きているとき、首尾一貫感覚を持っていると言える。
困難に遭ったそのときに、首尾一貫感覚を持っていれば
「この困難にも意味がある」と思える。
それが、困難を乗り越える大きな力になる。

首尾一貫感覚は、3つの要素でできている。
・把握可能感(状況を把握できていると思える)
・処理可能感(状況を処理、解決できると思える)
・有意味感(人生には意味があると思える)

これがまさに、西洋占星術そのものだ!と思ってしまったのだ。
(ほかにも、命術なら当てはまるだろう)

・把握可能感
 西洋占星術ではホロスコープを作り、状況を星の動きになぞらえて「理解し、納得する」。あの人があんな理不尽なことを言うのは、「この星がこの位置にあるから」。がんばっても報われないのは、「今、この星の角度がこうなっているから」。星と現実の因果関係をここでは問わない。理由はともかく、ホロスコープという「枠組み」で、困難や理不尽な状況を、うまく説明できるのだ。

・処理可能感
 同じくホロスコープから、「この星がここに移動すれば」状況は変わるという予測が立つ。また自分の強み、弱みがわかるので、どこかに助けを求める、自分の得意を活かす、ツールを使うなど、対応方法がわかる。

・有意味感
 これこそ、ホロスコープの真骨頂だ。
 その人がなぜ、どういう使命を持ってこの世に生まれてきたのか、何をなすべきなのか、何が出来るのか、人生の意味を教えてくれる。
 この世にふたつと同じホロスコープはない(双子でも生まれ時間が違う)。ひとりひとりが、宇宙の中にあるべきものとして生まれた、かけがえのない存在なのだと、教えてくれる。

自分という人間がこの世に誕生したその瞬間に与えられた運命の青写真であるホロスコープは、首尾一貫感覚を育む鍵となる、と思う。


参考図書>
舟木彩乃「首尾一貫感覚で逆境に強い自分をつくる方法」株式会社河出書房新社

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