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ジャニーズ問題は「芸能事務所のスキャンダル」ではなく「性犯罪組織の摘発過程なんだよ」という理解が不足してる(お詫びと修正あり)

 ネスレ日本の高岡浩三さんがこんなポストをされてまして、一般的にはそういう感覚だと思うわけです。

ジャニーズ、スポンサー離れは"終わりの始まり"...

Posted by 高岡浩三 on Sunday, September 10, 2023

私は、ネスレのガバナンスとコンプライアンス規定の観点から、キットカットと言えども一度もジャニーズのタレントをCMや販促に起用しなかった。私からすると、今回のジャニーズ問題はBIGモーター社と損保ジャパンの癒着問題と重なって見える。
今更、ジャニーズ事務所のタレントと契約しないという大手クライアントこそ、この手の問題を知っていたはずだし、知らなかったとしたら恥ずべきことだ。
それ以上に、日本のメディアはクライアントの不祥事や人気芸能事務所の問題に蓋をして、事が起こってから白々しく報じる体質だと理解しておくべきだ。

 これは、単純にメディアとジャニーズ事務所の性犯罪における相互隠蔽や共謀関係にあったのではないか、という合理的な推測を行って、各事業者はジャニーズタレントを起用しない方針にしないといかんよねという話でして、そりゃコンプライアンス的にもっともですねという話になります。

 他方、ではその高岡浩三さんほか割と理知的でまともな企業経営者は、そういうジャニーズ事務所(創業者であるジャニー喜多川さんやその事務所の経営者たちも含め)が具体的に未成年の若者を相手に性犯罪を繰り返し犯していることを事件として充分に知っていたのかという話にもつながります。そこには:

(1) 本当にそういう性犯罪を見たのか。あくまで業界内の噂であって、それを高岡さんら企業家は確認したわけではないのではないか(推定無罪含め)
(2) ある程度の確証があるならば、そのような問題があることをなぜその場で主張してこなかったのか。SNSなどではなく、対広告代理店や、対テレビ局などに対しビジネス人権を守るためのアプローチは他にあったのではないか

 という話が出てくるので非常に面倒くさいわけですよ。

 人気があるからこそ、性犯罪があることをうっすら知っておきながら見て見ぬふりをしてきただけでなく、それに迎合してビジネスにしてきた積極的な共犯関係がテレビ局ほかメディアだったとするならば、BBCに書かれるまで文春裁判後も普通に仕事を続けてきたジャニーズの問題は日本社会全体の病理だったとも言えましょう。

 で、繰り返しになりますが、これらの問題は隠然たる勢力を誇ってきたジャニーズ事務所が小児性犯罪の温床であり、犯罪組織だったですねという話を、事がここまで大きくなるまで対処されることが無かった話になります。

 同じ文脈で言うならば、芸能界でも隠然と言われ続けているバーニング系芸能事務所やケイダッシュは暴力団系の反社会的勢力による経営なのではないかとか、ブレイキングダウンは系譜的に反グレ組織として有名であった旧関東連合の関係者と関わり合いが深いとか、興行と反社会的勢力の問題はずっと燻っています。

 元をただせば、吉本興業の闇営業問題もさることながら、香港でのAV女優管理売春問題や闇カジノ・オンラインカジノ関係、大手美容整形グループと暴力団の関係、エイベックス松浦勝人さんの株主恐喝監禁事件も含めて逮捕起訴されて有罪にならない限りにおいてはコンプライアンス的にうすうす分かっている話でも確証なしでグレーのままいけてしまう面があるわけです。

 これらは、まさに高岡さんのように「確証はないけどうすうす知っていたので、本当だったらマズいと思って起用を避けていた」が正解ということになるんですよ。裏を返すと人気があるから、迎合すると利益になるからといって、それでいいんですかという倫理と利益衡量の問題に尽きるんじゃないですかね。

 で、ジャニーズの話はファン心理がどうであれ犯罪組織に関する問題なので、本来は粛々と対応するべきであるし、また、何度も話してますがジャニーズ事務所のタレントもまた被害者であるとしつつも、その着地の程度としてはやはり考えていかないと駄目です。ビッグモーターやネクステージは悪い奴だけどそこで働いている社員に罪はないからお咎めはどうするか考え直さないといけない、というのは結構しびれる問題です。

https://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken04_00090.html

 また、ジャニーズ事務所も一連の問題にあたって出演料を事務所として取らないという謎の対策を発表しました。事態対応をしている関係先からのアドバイスがあったのだと聞きましたが、実際にそんなことで対応可能なものがあるとはとても思えません。

 さらに、ジャニーズ事務所の看板架け替えの問題についても、これまた新潮からファンクラブ権益があるからジャニーズの名前を降ろせないんだという謎の報道がありました。

 そもそもが、BBC報道が出るタイミングで再発防止策も含めた対応を行って幕引きを図っていればこうはならなかったはずが、最終防衛戦がどんどん下がってきてこうなってしまったのはどうにもならないところです。山本雲丹さんも書かれていますが、文字通り「露呈したのは新社長の人望のなさとサイドを固める役の脇の甘さ」なんでしょう。

 ジャニーズ関連の浄化は、本来は、犯罪組織と興行というかなり本質的なところまで掘り下げられるべきであって、東京オリンピックやFIFAの汚職もジャニーズも芸能事務所の暴力団関係も、根っこは本当に同じことだと思います。

 これと「ジャニーズファン」の話はまったくの別物と思っており、また、いままではあまり話としては出てこないジャニーズに入所する男の子の親の問題はもう少し語られるべきだと思いました。

 画像はAIが考えた『推しは宗教と同じ効果をファンにもたらし、癒しという錯覚を持たせることでカネに替える興行の仕組みはたいてい反社会的勢力の問題に直結する事案』です。

(お詫びと修正) 冒頭、高岡浩三さんの元のご所属である「ネスレ日本」を、誤って「マッスル日本」と表記してしまっておりました。あれは『県立地球防衛軍』(安永航一郎・著)です。伏してお詫び申し上げます。


神から「お前もそろそろnoteぐらい駄文練習用に使え使え使え使え使え」と言われた気がしたので、のろのろと再始動する感じのアカウント