見出し画像

「メディアに強いから」という理由でデジタル担当大臣ポストに入れる根拠とは?

菅義偉内閣が本格的に発足します。

それに先立ち、組閣人事が発表されました。

中でも注目なのが「肝入り」と称されている、デジタル関連の政策。
具体的には、携帯電話の料金値下げ・マイナンバーカードの使用促進などが挙げられます。

デジタル関連で重要になってくるのが「デジタル担当大臣」というポスト。
菅内閣の本格始動に伴って、新たに「デジタル庁」が設けられる予定となっています。

デジタルは非常にデリケートかつ炎上しやすいカテゴリーです。
今問題となっている「ドコモ口座」の記者会見では、ドコモ社長がセキュリティ素人が露見してしまうなど、多くのユーザーから顰蹙を買う結果となりました。
また、アングラ・オタク・若年社会と密接に関わっていることもあり、舵切りを間違えると、炎上は必須。
つまり、このポストに相応しいのは「技術革新と時流に乗ることができ、3つの社会に理解できる」人間なのです。

今回ポストに付いた平井卓也氏は、元西日本放送の社長・自民党IT戦略特命委員長の経歴を持っていますが、私は「メディア業界の人間=IT関係に強いから任せられる」とは微塵も思っていません。

報道等で指摘されているように、昨今の既存メディア(新聞・放送業界)は情報の風通しが悪い業界です。
香川県の西日本放送は、日本の民放では数少ない家族経営を行っている企業で、創業家である平井家の意見が強いそうです。
(平井卓也氏は創業家の出身。香川県のメディアを掌握している一族でもあります)

今回のポストで懸念しているのは、香川県ネット・ゲーム依存症対策条例のような政策が生まれるのではないかという点です。
この条例は、全てのコンピューターゲーム・インターネットの使用時間を1日1時間までと定めるものです。一番の問題点はゲーム以外のインターネット使用でさえも制限を設けることで、ネット社会問題となりました。

推し進めた背景は、WHOが定めた「ゲーム障害」を疾病認定されたことから、県民の健康改善対策として地元新聞である四国新聞がキャンペーンを打ったことから始まりました。
それから県議会でも、議員連盟が発足するなど、条例可決を加速させる動きが目立ち、今年施行されたのは承知の通りです。
また、パブリックコメントの非公開、地元メディアが「賛同する声が多い」と報道するなど、政治監視機能の不全と政治とマスコミの癒着問題がクローズアップされました。

渦中の人物の一人として、香川県のメディアを牛耳る平井家…地元政治家である平井卓也氏が絡んでいるのではないかと憶測されています。
確かに、創業家の人間かつ双方に顔がきく平井氏が条例を廃止することはできたはずなのに、何も動きがなかったことは全てを物語っているように感じます。

手続きのデジタル化を加速させる一方で、娯楽のデジタル化は規制するという動きが時流に反しているのは誰が見ても分かることであって、国民を意のままに操れる政策は国を滅ぼします。
今やインターネットは、誰しもが言論を発信できるツールとなり、やろうと思えば戦争だってできる、諸刃の剣です。
社会と密接に関わるツールだからこそ、誰よりも技術に強く、社会時勢を捉え、理解できる人が就いてほしかったです。何なら、民間選出限定にしてもよかったと思うくらい。

菅内閣のスタートダッシュに注視していきたいものです。

虹倉家の家計を支えてくれる心優しい方を募集しています。 文章と朗読で最大限の恩返しをさせていただきます。