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アテネの落書きに国が破綻した現実を見た

国が破綻することとはどういうことなのか?

それを自分の目で確かめるためギリシャを訪れました。

ギリシャの首都アテネに着いて、すぐに国が破綻した現実を目にしました。
それは「落書き」です。

アテネの街で最初に強烈に目に飛び込んできたのが、いたるところに書かれた「落書き」でした。
建物の壁、窓、看板、ゴミ箱、挙げ句の果ては道路標識にまで、落書きされていないところを見つけるのが難しいほどの落書きの多さに驚きました。

落書きというのはきれいなものを汚す行為です。
落書きをする人はきれいなものを汚すことで不満を解消しているのです。

そのようなことで不満が解消されるのは、その人の心が汚れているから。
きれいなものを見ると、自分の心と同じように汚れていないと気が済まないのだと思います。

アテネはどこに行っても落書きだらけですので、限られた人数が書いているとは思えません。相当な数の人間によって書かれたものだということが想像できます。

いたるところの落書きは、それだけ国民の多くが鬱積した不満を持ち、気持ちが荒んでいるということを表しているのです。

同時に落書きの多さはそれを消すことができない状況であるということも如実に現しています。経済的に破綻しお金がない状況では、行政も落書きを消すということができないのでしょう。

正常な心理状態であれば、きれいなものを汚すという行為は気がひけるものです。ですから落書きをできるだけ早く消すということが落書き防止にもなるのですが、今のアテネにはそれができない。正に負のスパイラルに陥っている状況でした。

国が破綻するということがどういうことか、あまりにも分かりやすい光景に衝撃を受けましたが、振り返って見ると東京なども必ずしも他人事ではないことに気がつきます。

アテネの落書きは、私たち日本人への警鐘でもあります。

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