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日本の銀行が生き残っていくための戦略を考えてみよう

こんにちは。

本日は、「日本の銀行が生き残っていくための戦略」についての投稿をしたいと思います。


1.本記事でのゴール

読者の方々が本記事を読み終えた時のゴール(状態)としては、下記となります。

・日本の銀行の現状や問題点を把握している状態
・今後、日本の銀行が実践すべき戦略や施策を理解している状態

なので、そのことを念頭に置きながら、ご覧いただければと存じます。

本記事を読み終えた時のゴール(著者作成)

それでは、進めていきましょう。


2.振込手数料を引き上げる三菱UFJ銀行

最近、次のようなニュースを見ました。

三菱UFJ銀行が10月2日から、店舗の窓口やATMの振込手数料を引き上げる、というニュースです。

具体的には、窓口から他行への振り込みは一律990円と、現状は振込金額が3万円未満は594円、3万円以上は770円、また、ATMで他行に現金で振り込む場合は一律880円に値上げするようです。

更には、同行は、キャッシュレス化などで利用が減った未明の稼働を止め、コストの削減につなげるために、2023年度中にも、ATMの24時間稼働を終了する予定であり、今後は原則として、稼働時間を最長でも午前6時から翌日の午前0時までの18時間に短縮する方針を取るようです。

今回のニュースだけでなく、最近は銀行員の仕事がなくなる等、雇用に関する話題も出てきたりしていますが、現在、一体、銀行業界で何が起こっているのでしょうか?

本記事では、銀行業界が抱える課題と、その課題を解決するための施策について話していこうと思います。


3.日本の銀行が抱える課題

今、日本の銀行が抱える課題は、どのようなものがあるのでしょうか?

私なり整理してみましたので、順番に見ていきましょう。


(1) 融資ビジネスからの脱却が必要
最初に、大手の銀行(メガバンク)や地方銀行と言われる民間銀行の主な役割を改めて見ていきましょう。

下記は、社会における民間銀行(図では市中銀行)の役割を簡単に表しているのですが、まず、民間銀行はお金を発行することはしないです。

お金を発行する(刷る)のは、日本銀行の役割です。

民間銀行は、その日本銀行からお金を借りて、我々消費者や民間企業にお金を又貸しし、お金を貸す際に発生する利子(金利)で儲けています。

また、民間銀行がお金を借りる先は、日本銀行だけでなく、消費者からもお金を借ります。(これを預金と言います。)

ちなみに、預金というのは、お金を預けると書きますが、「民間銀行にお金を貸している」という意味合いもあります。

銀行にお金を預けていると、年に1回銀行からお金を預けた金額の0.001%くらいの金額が口座に入っている時がありますが、あれは「銀行にお金を貸していた金利分のお金」をもらっているのです。

つまり、民間銀行は日本銀行、消費者、企業等からお金を借りてきて、そのお金を他の消費者や企業に又貸しして、金利分で稼ぐという融資ビジネスが主な役割となっています。

民間銀行(市中銀行)の役割

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