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実家の小さな飲食店を手伝いながら、平日は高校教師。学校の非常識は世間の非常識を日々実感。

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実家の小さな飲食店を手伝いながら、平日は高校教師。学校の非常識は世間の非常識を日々実感。

最近の記事

人生にテスト範囲はない

そろそろセンセイたちは、テスト範囲の呪縛から解放されてもいいのではないでしょうか? 中間テストまでに、ここまでは教えなくてはならない。テスト範囲はすでに発表してしまったから。そんな風に追い込まれるセンセイ。 すると、教科書のテスト範囲を終わらせることが最優先事項となり、先へ先へ進み、生徒が深く学べるかどうかは後回しに。 で、センセイは、駆け足で軽く触れただけなのに、「テスト範囲は教えたからな。あとはがんばれ」と生徒たちに言うんです。 センセイお得意のアリバイ作り!

    • 学校で大切なものは飲食店にある

      私はちゃんと教えた。 生徒がちゃんと勉強しなかった。 私はこれをやれと言った。 生徒がこれができなかった。 教師はいつも正しく、生徒がいつも不完全。 そう思いたいんです。 教師と生徒はズレたまま。 飲食店の例え話が好きなんです。 私はちゃんと料理した。 客がちゃんと完食しなかった。 私は店に来いと言った。 客は店に来なかった。 店はいつも正しく、客はわかってない。 店は潰れますね。 センセイたち、飲食店でインターンシップしてほしいです。 人生で学ぶべきも

      • 当たり前のもっと先

        当たり前のことをちゃんとやろう。 学校でよく聞く言葉。 それが目標だったりするんです。全員が当たり前のことをカンペキやるのは、まあ、無理でしょう。それでも、センセイたちは諦めません。何度も何度も言います。当たり前のことをちゃんとやろう、と。 冷静に観察すると、本校の八割以上の生徒たちは、当たり前のことをちゃんとやっています。どこに出しても恥ずかしくない生徒ばかり。当たり前のことができたところで当たり前。やっとスタート地点に立てるだけ。 センセイたちには当たり前のことが

        • 原始のスープ

          学校では、暗記することが求められる。 社会では、アイディアを出すことが求められる。 三年生になり、いざ、AOやら総合選抜やら、一般受験ではない大学受験の面接の練習をすると、これまで暗記だけして好成績を残してきた生徒が、自分の考えをまったく言えないなんてことが多々。 高校時代は、部活と勉強の両立を頑張りました。貴校では資格をたくさん取り、就職に活かしたいと思っています。 そんな生徒には、帰っていいよ、と言います。僕はわりと厳しいんです。そんなこと、誰でも言えるだろ。中学生

        人生にテスト範囲はない

          ライバル校の動向

          勤務校の近くのライバル校、その校長が宿題廃止を言い出したとか。 それで学力は下がらないのか?と聞かれると、その学校の教員は、意味のない宿題の強制がなくなるだけだから、学力が下がることはないだろう、と答えたとか。 すごい。すごすぎる。 数年前はほぼ同格だった勤務校とライバル校、ここ数年で大きく差をつけられてしまいました。勤務校に入学する理由のトップは、ライバル校に入れなかったから。その差は、さらに大きくなることでしょう。 ライバル校の方が、駅から近い。差をつけられた理由

          ライバル校の動向

          我慢の先の風景

          嫌なことを我慢させるのが、教育だと思っている教師が多いんです。 意味のない書き取りや答え写しをしつこくやらせる。期限を守らせて。期限を守らないと、ペナルティで、作業がまた増える。 生徒に嫌な思いさせてください、と本校に転勤してきてすぐに同僚に言われました。そうすれば、生徒は痛い目を見たくないから、暗記したり、課題を出したりするから、と。さらに嫌なことをやらされないために、とりま、目の前の嫌なことをやっつける。苦痛回避、それが勉強なの? おそらくそんな教師たちは、嫌な仕事

          我慢の先の風景

          気の利く人の迷惑

          気の利く同僚がいるんです。いつも一手間余分にかけてくれ、みんなのために働きます。主に雑用的なことを。やったほうがいいだろうけど、やらなくても大丈夫レベルの。助かるので、みんながついつい頼ります。 で、そのうち、その人にみんながマウントされている。 その人が一手間かけるので、まわりも一手間かけるようになる。すると、その人はマウントし続けるために、さらにもう一手間かけます。すると、まわりも…… で、みんなの余計な仕事が増えてしまう。 そんな余分な手間はかけない僕は「仕事し

          気の利く人の迷惑

          存在感と存在

          とかく話題な教職員のサービス残業。始まりの時間には厳しいのに、終わりの時間に甘いの、なーぜなーぜ? 生徒の遅刻を厳しく指導する教師が、たいてい話が長くて、チャイムが鳴っても話し続ける風景はよく見ます。 「存在感」で仕事をすればいいんです。生徒の前に教師が存在しなくても、生徒の心の中に存在感を残すんです。生徒が、ちょいちょい教師の言葉を思い出しながら、自主的に、自分の頭で考え、自律して、うちで勉強します。 「存在」で仕事をすると、生徒の前に教師が存在して、生徒に圧をかける

          存在感と存在

          僕が教師を辞めたかった頃③

          僕の勤務校では、生徒を家畜にしようとしていました。そんなことを思っているセンセイは、もちろん、一人もいなかったでしょう。ほぼ全員が真面目で善意でがんばっている、その結果、家畜生産工場にしていたということです。 まず、あいさつやら言葉づかいやら、校門でのエアあいさつやら、日々の生徒指導で、生徒たちの行動を従順にしつけます。ここが第一段階。 次の段階では、思考を家畜化していきます。英語では、小テストを毎週のように行います。合格点に達しなかったら、英単語書写繰り返しをペナルティ

          僕が教師を辞めたかった頃③

          僕が教師を辞めたかった頃②

          僕が学校を辞めたかった頃、本校では、五目標を掲げ、「生徒指導」をしていました。 あいさつ 言葉づかい 規則 けじめ 気くばり そして、校門を通る時は、誰もいなくても一礼。帰りは、わざわざ振り向いて、校舎に一礼。それが、本校の伝統だと、ことあるごとに言われていました。 エアあいさつ、意味ある?? ま、学校の伝統など、ほぼ「進歩なき繰り返し」ですが。本校は、かつて名門女子高でした。当時は、この町のトップ校では、男女差別入試が行われていて、女子は男子より高得点を取らなければ

          僕が教師を辞めたかった頃②

          教師を辞めたかった頃①

          本校に転勤してきて、教員人生で初めて転職を真剣に考えました。教師という仕事は、それまで楽しくて、天職だと思っていたのに、です。一ヶ月我慢すればカネが降ってくる。半年我慢すればボーナスも降ってくる。ただカネのために、ただカネだけのために学校に行くようになっていました。 君たちとはカネがつないでるだけ、と言っちゃったこともあります。ま、そんなことを言っても、保護者に言いつけられ、学校にクレームが入らないほどの友好関係はありましたが。 僕は実家の飲食店を無償で手伝っているのです

          教師を辞めたかった頃①

          悪魔のテンプレ

          ようやく教科書を開いていみました。 レッスン1のパート1 朝食食べた? 忙しい人もいれば、 早起きできない人もいる。 もし朝食抜くと、学校でちゃんとできないかもしれない。 どんな朝食があなたに最適かな? そんな内容。ま、特におもしろくもない文。 疑問文 ~もいれば、~もいる。 もし~なら、~かもしれない。 再度疑問文。 この構造。これは使えます。悪魔のささやき的にも 要は、朝食ちゃんと食べろ、と言いたいのですが、食べろと一言も言わず、食べさせようとする目論見。

          悪魔のテンプレ

          ルールは何のため?

          ルールは何のためにあるのか?それは、弱者を守るため。世の中は、ほっとけば、ジャイアン総取りになっちゃうんです。だからこそ、のび太たちにも少しはとっとけよ、とルールをつくるんです。世界はそもそも不公平、でも少しでも公平にしようとルールがつくられるのです。 昭和の神社には、年令を問わず、子どもたちが集まり、いろんなことをして遊んでいました。ゲーム機やスマホのない時代、かくれんぼや、缶蹴りや、ケイドロなど。大きい子にはハンデをつけて、小さい子でも一緒にい遊べるようにするのが、子ど

          ルールは何のため?

          魚の骨の構造

          よく生徒に、寿司の話をするんです。例え話で。英文法を教えている時など。 今まで捌いたことのない魚を、営業中に、教え子が持ってきたんだよ。おじいちゃんが釣ってきた魚あげる、ってね。そしたら、お客さんに、お寿司にして食べさせて、と言われ、困ったんだよ。でもね、捌いてみたら、サクッと捌けたんだよね。さっきまで泳いでた魚だから、新鮮で、とっても美味しい寿司にすることができて、お客さんが喜んでくれて、めっちゃよかったなあ。僕も食べたけど、美味しかったなあ。 ずるーい、と生徒たち。王

          魚の骨の構造

          他人の話なんて聞かないよ

          ひとは、他人の話なんて、たいして聞かないんです。聞いてるふりしながら、他のことを考えてたり。よっぽど話がおもしろかったり、よっぽどその人が好きだったりすれば、別ですが。 ま、僕のことです。 生徒は、教師の話なんて、たいして聞かないんです。怒られるとめんどくさいから、聞いてるふりしてるだけ。僕は知っています。肌で感じます。 多くの教師はたっぷり話して仕事した気になるんです。 ひとは、聞いたことはたいして覚えていないのですが、自分が話したことはけっこう覚えているものです。

          他人の話なんて聞かないよ

          弱みこそ、さらしちゃおう

          強みを出すには、弱みも出さなくちゃいけません。弱みは、他人の助けなしでは、克服することはできません。自力で克服できるくらいなら、弱みでありません。 弱みのない人間は、一人もいません。強い人は、強く見せるのが上手くて、弱みを隠しているだけ。 弱みをさらけ出して、誰かに助けてもらって、自分の強みを思いっきり活かす。これが、人生のコツ。人の弱みがそれぞれなら、人の強みもそれぞれ、だから助けあえるし、助けあうチームこそ強いんです。 学校でも、職場でも、求められるものは、心理的安

          弱みこそ、さらしちゃおう