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鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎〜水木の煙草と哭倉村の民俗学っぽい話〜
ヤニカスです。誇りに思います。
ゲ謎の話でまとめきれなかった部分をざっくりと。前半は水木が吸う煙草の話。後半は哭倉村のモチーフの民俗学的な話。後半に関しては大学と趣味で少しやってる程度のホラー作家の一見解として流して見てください。
〜水木青年の煙草の話〜
ゲ謎は喫煙者の多さが昭和らしくていい。
人間を憎んでいたというゲゲ郎がどこで煙草の味を覚えたのかは気になる。奥さんは吸ってそうには見えない
鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎を観た〜因習を断ち切り、未来を繋ぐ大人たちの話〜
最高でしたよ!とっくにブームなので自分が言うこともほぼないんだけど。
PG12に削ぐわないハードな内容で、横溝正史オマージュ満載のガッツリ因習村ホラー映画になっている。最初に座敷に招かれるシーンとかばりばり角川映画版の犬神家の一族ですよ。
戦闘シーンもめちゃくちゃカッコいいし、バディブロマンスとしても最高。子ども向けどころか大人が観て楽しめる映画です。タイトルの通り、これは鬼太郎の誕生に関わるふ
埠頭、腎臓、スーパーチャット
結婚式に乱入して、サウンド・オブ・サイレンスを流しながら、愛する女とバスに乗り込むなら格好がつくが、俺は何もかもが違った。
今いるのは子どもの玩具のようなコンテナが並ぶ真夜中の埠頭。盗むのは死体。イヤホンから流れるのはVtuberの雑談配信。
これから命をかける相手は、美少女の皮を被ったおっさんだ。
倉庫から中国語の混じった怒声が聞こえた。
俺は緊張を紛らわせるため、生配信の音量を上げる。港
FGOハロウィン2022のためのざっくり水滸伝解説②呼延灼って誰?
ジャンプ漫画を読んでると「アニメ化したら二クールくらいやった後ここが劇場版になるんだろうな」って超盛り上がるバトルがあるよね。無限列車編とかレゼ編とか。
水滸伝のその部分が呼延灼戦だ!
梁山泊にもキャラの濃い面子がたくさん揃い、ついに国が放置しておけないくらい組織がデッカくなった。度々気に入らない役人を沈めてバラしてBBQとかしてる蛮族集団なので討伐は妥当。
強者揃いの梁山泊を討つために司令官と
FGOハロウィン2022のためのざっくり水滸伝解説
します。
FGOでそろそろ燕青以外の水滸伝鯖増えないかなとは思ってたけど、まさかハロウィンに来ないと思ってたのでびっくりした。
ハロウィンに姫路城やピラミッドを出すゲームだった。油断してた。
中国古典名作文学というとお堅くてとっつきにくいイメージがあるけど水滸伝はそんなことはない。
原初(?)の転生チートものだし、登場人物皆半人外なので集団戦も個人戦も異能少年マンガに近くて面白い。
そして、治
デスノート Light up the NEW worldを観た〜馬鹿の頭脳戦、でもブロマンス映画としては最高峰の話〜
「ノートが銃に勝てるわけねえだろ」
そんな……。
実写化大成功作品の続編で、東出昌大、池松壮亮、菅田将暉と最高のキャストを呼び、たくさんお金をかけてできた馬鹿の頭脳戦、デスノート
Light up the NEW worldの話をします。
原作では描かれなかった「人間界で同時に存在していいデスノートは6冊まで」というルールに踏み込んだ本作の舞台は映画版デスノートの10年後の世界。
各地で失われ
トーマス・トウェイツ『人間をお休みしてヤギになってみた結果』を読んだ
将来に不安がある? 仕事仲間がどんどん先に進んで自分だけ取り残されたように感じる? 恋人と価値観の違いで喧嘩が増えた?
そんな心配はいりません、だって、あなたは……ヤギなのだから!!!
ヤバい発想をヤバい行動力とヤバい技術力とヤバい根性で形にした狂気のヤギ男体験レビューがこの本、『人間をお休みしてヤギになってみた結果』だ。
作者は原始時代でトーストを作れるかというようなコンセプトで書かれた『ゼ
サマンタ・シュウェブリン『七つのからっぽな家』を読んだ
作家・円城塔が紹介していたので気になっていた南米の作家の短編集。
確かにラテン・アメリカ文学らしい不条理感もあるけれど、今村夏子や村田沙耶香のような日常や常識からズレたひとびとを描く現代日本の作家のような雰囲気もあり、南米文学に馴染みがなくても読みやすいんじゃないかと思う。
タイトルの通り、この本は空虚な家や家庭をテーマにした7編の短編からなる小説集だ。
といっても、家族間のよくある悩みが題材