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「本人の意思に基づいた成年後見人等と福祉専門職の連携」を読んで

「実践 成年後見 110号」にて、
『成年後見人等と福祉関係者との連携と協働』が特集されています。

その中で書かれている、同志社大学教授 永田 祐氏の記事を読み、自身の成年後見人等としての活動を振り返りたい。

言わずもがなではあるかと思うが、
成年後見人等が意思決定支援を踏まえた後見事務を行うにあたっては、

日常的に本人への支援を行う様々な関係者が、チームとなって意思決定支援の考え方を理解し、実践することが重要である。

第二期成年後見制度利用促進基本計画(令和4年3月25日閣議決定) 11頁、23頁。

としている。

そんな中、実際に成年後見人等が支援チームとの連携を開始するのは、

一般的にはすでに本人に対する支援を行っている権利擁護支援チームに成年後見人等が「合流」することになる。

実践 成年後見 「本人の意思に基づいた成年後見人等と福祉専門職の連携」 
同志社大学 永田 祐 教授

となり、
いわば成年後見人等は福祉専門職からすれば、「後から入ってきた人」という位置づけになるかと思う。

私自身は、地域包括支援センター職員として成年後見制度申立支援を行い、
「成年後見人等を権利擁護支援チームに迎え入れる」という経験と
私自身が成年後見人等として権利擁護支援チームに合流する」の
どちらの経験もあるため、
「迎え入れる」・「合流する」
どちらの場面でも本人の意思決定支援において合意形成を図っていく難しさについては身に染みて感じているつもりである。


私自身、成年後見人等として活動するにあたって、ベースにしている考えは、
「家庭裁判所より審判を受け、本人の成年後見人等になったとしても、
自分は後から入ってきた人である」
ということを忘れないようにしている。

成年後見人等がつくまでには
「本人と福祉専門職との様々なやりとり」が必ずあり、
紆余曲折の末、成年後見人等がついていることは紛れもない事実であるし、
その苦労は地域包括支援センターで働いていた際にたくさん経験してきた。


この自身は、「後から入ってくる人」であるという意識だけで、
まずは福祉専門職との連携を進めていくうえでスタートは誤らないのではないかと感じる。

もちろん「連携」であるので、福祉専門職から成年後見人等への理解ももちろん大事であるが、
これまで本人への支援を行っていく中で苦慮された経過を理解・共感し、本人だけでなく、支援者である福祉専門職を受容するということは、やはり必要であると感じる。

そのうえで、成年後見人等としての役割を理解してもらい、
やっと「本人の意思決定支援をどのように考えていくか」の土俵に
立つことができるのではないかと考える。



といろいろ綴ったが、
「じゃあお前はどうなんだ?」と自問自答している自分がいる。
文章を綴りながら、自分の支援を振り返り、反省もしながら・・。

今後もチームの一員として参加し、意思決定支援が適切に行われているのかについて考えながら、福祉専門職の皆さんとともに
「あーでもない。こーでもない。」と気軽に言い合える成年後見人等を目指して。




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