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成蹊大学1号館の壁画

ハロー。桜の季節だね。そして新生活が始まる人もいるね。吉祥寺にある成蹊学園は池袋から吉祥寺に来て今年で100年になるんだけど、それにあわせていろんなコラボをさせてもらいました。くわしくはこちらです。
本当にいろいろさせてもらったんでそのことはまた別に書こうと思いますが、今日はその中のひとつ、キャンパス内をアートした「ウォールグラフィック」のプロジェクトのうち、僕がSNSに載せた成蹊大学1号館の壁画の話です。

壁画ができる前の1号館の壁

この絵は実際に壁に描いたのではなく、簡単にいうと僕が描いた絵を巨大なシールにしてもらって壁に貼っています。今回その手法で1号館以外にもいろんなところに絵を描きました。
最初、このプロジェクトでキャンパス内を案内してもらっている時に、この1号館の壁を見たスタッフの人が「あそこも何かできるかも」と言いいました。その場所を見て僕は「やりたい!」とテンションが高くなりました。ただ、今いったように描いた絵をシールにして貼るので壁の面がツルツルで貼りやすいことが条件で、見た感じは大丈夫そうでしたが、可能かどうか調べてみるとのことでした。

写真とってipad上で描いた絵

後日、僕は一人でこの場所に何度もきてずっと青い空と白い壁を見ました。すると、この青空と一体化するような天使と雲を描いたらすごいんじゃないかと思い、絵に描いてみました。
僕はいまだにデータ入稿もできないアナログなやり方で、人にデータ上で色をつけてもらう時には白黒で描いた絵をコピーして、そこに矢印で「ここは青」とか指定していましたが、2年前に買ったipadとApple Pencilでデータ入稿はできないものの、「こんな感じ」という色付けと参考の絵はできるようになりました。そしてこの白い壁を写真にとり、その上からApple Pencilで絵を描き、その時の空と同じ色を選んで背景に付けてみました。

それを打ち合わせのときに成蹊のスタッフさんに見せると、みんなから「すごい!」歓声があがりました。やっぱりこうやって見せると伝わりやすいんだなと思うと同時に、この1号館の壁画を実現できたらいいなと強く思いました。

施工の様子

そして1月の打ち合わせでなんとかこの壁に施工ができるということになり、先日、高所作業車の2日間の作業で完成しました。絵の左側が約7メートル、右側が約9メートル。スタッフの人から施工の様子の写真をもらった時は感動しました。本当にきれい。実現してくれたみなさま本当にありがとうございます。

僕は2012年にメキシコに行った時、まちなかにある壁画をたくさん見ました。これは「壁画運動」という1920年代に起こった運動で、文字の読めない人たちに歴史を伝えるためにまちなかに多く制作されたもので、岡本太郎にも影響を与えましたが、僕もその巨大なアートに圧倒されました。

メキシコで見た大学の壁画、シケイロス作。

僕もこの影響でパブリックアートに興味を持ち、バスや大きな看板も僕にとってはパブリックアートとして取り組むようになりました。ただ、僕の場合はこういうアートを作る場合、基本的には自分の主張より風景に調和して、見た人がおもしろいと思ってくれたり和めるような感じにしようと思ってます。
「天使と雲」は僕のアートのなかでもよく使うモチーフで、見ている人がふわふわしている絵に心地よくなってくれたらと思ってよく描きますが、この成蹊大の1号館は実際の空の色にあわせて背景の水色をつけてもらったので、本当に気持ちよさそうに天使が空を飛んでいます。これを見た学生さんたちに、この空飛ぶ天使たちのように自由に羽ばたいてほしいという願いもあります。

完成した壁画。成蹊のマスコット「ピーチくん」も飛んでます

この1号館の前にはまるでこの壁画を見るためのような椅子みたいなものもあり、ずっと見ちゃいます。空の色が変わるのもまた面白いし、この絵の前を鳥が飛んだりカラスが上に止まったりしっているのもなんか和めます。
僕は絵を描き始めて長いことたつけど、今もこうやってみんなに見せたくなるような誇れる仕事ができることが本当にありがたいです。
この壁画は吉祥寺の成蹊大学の構内にあるので学生さん、職員さんが多く見てくれているんですが、年に何度かお祭りやイベントなどもあったりするんで、みんなが見れるような時はSNSでお知らせします。僕もちょくちょく写真をあげます。

「天使と雲」のキャンバス画。3号サイズ。

というわけで今回は成蹊1号館の壁画についてでした。
僕の次の個展は4/26(金)〜4/29(月祝)の4日間。立川のフロム中武3階であります。フロム中武は昨年、正面入口の15メートル壁画を依頼してくれて、この4月に新作壁画発表の予定です。それにあわせた個展でもあり、僕も毎日行って接客します。新作旧作含めていろんな絵を持っていきます。販売もします。「天使と雲」のキャンバス画もあります。値段は画材と大きさによって違うんですが、このペン、アクリル、3号サイズの場合は48,000円(税込)です。もちろんキャンバス画なので紙に比べて存在感はあるんですが、他の作品と違って「天使と雲」という同じモチーフで作品を作っているんで僕のキャンバス画の中ではかなりお得です。ぜひおうちで飾ってね。フロム中武個展のことはまた詳細書きますね。それでは!


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