見出し画像

おべんとう

子どもの入園・入学などで、この4月からおべんとうを作り始めた方も多いんじゃないかなぁと思います。かく言う私も、息子の幼稚園入園をきっかけに日々のおべんとう作りを始めた一人です。そして現在も子どもたちの通う小学校には給食がないので、週5のペースでおべんとうを作り続けています。そんなおべんとう作り9年目に入った私の、ちょっとした「おべんとう術」をお話ししたいと思います。

*気合いべんとうを投げ捨てるまで

えっと、「おべんとう術」と言っても、実際のおべんとうのレシピを伝授!とかではなくて、いかにおべんとうを作る作業を気楽にできるようにするかと言う「気持ち」の話です。と言うのも、誰でもそうだと思うけれど、最初ってすごく気合いが入ると思うんです。「よーし!子どものために美味しくて安全で見た目もかわいいおべんとうを作るぞー!」と。そして、銅でできた玉子焼き器と、曲げわっぱのお弁当箱も買って、かわいい海苔パンチもあるといいかな♪ なんて。わかります!私も最初は気合いじゅうぶんだったし、朝も1時間早く起きて一からすべて手づくりして。たいへんだったけれど日々満足でした「私が」。おべんとう作り初期にありがちな「気合いべんとう」って、結局、自己満足だと思うのです。自分の「作品」としていかに満足したお弁当が作れるか。もちろん子どもたちも喜んでくれるから、なおさら頑張ろう!って。ただそれが1ヶ月2ヶ月と毎日続いてくると、自分のなかの持ちネタは尽き、ネットでおべんとうアイディアを血眼になって探し、そして数ヶ月経った頃、ついに疲れ始めます。笑)


ある日、朝寝坊してしまって(まぁ、この時点ですでにおべんとう作りに対してのモチベーションが低下しているのですが(笑))、おにぎりだけしか作れなかった日がありました。幼稚園のお迎えの時に、先生に「今日お弁当作る時間がなくっておにぎりだけになっちゃって…」と言ったら、「お母さん、全然いいのよ、それで。」と。「大切なのって、おべんとうの中身じゃなくって、お父さんお母さんが作ってくれたっていう満足感なのよ。」と。「だからおにぎりだけでも、パンにバターとジャムを塗っただけでもなんでも大丈夫! でも逆を言ったら、そんなかんたんなものでもいいから市販のものじゃなくって、なるべく作ってあげてね」 その話を聞いてから、私は急激に肩の荷が下りて、背負っていたリュックサックを砲丸投げのように遠くに投げ捨てました。


*ラクする秘訣はルーティン化

それからというもの、いかにラクをしてお腹も満たされるおべんとうを作るか、が目標になりました。以来9年、徐々にラクなほうに改良を重ね(笑)今では朝起きて鼻ちょうちんを作りながら、30分ほどで仕上げられるようになりました。

月曜日はルーティン化しています。というのも、月曜の朝が一番テンションが低いからです。玉子焼きにちくわの磯辺揚げ(玉子焼きを焼いた後の卵ボウルに切ったちくわを入れて、小麦粉と片栗粉同量ずつと青のりをまぶし、水で湿らせた手で軽く混ぜてしっとりさせて(粉っぽくてよい。ドロドロにしないこと)玉子焼き器の片隅に少し多めの油を入れて揚げ焼きにするだけ。焼けたら皿にキッチンペーパーを敷いた上に乗せるだけ。しかもそのペーパーで玉子焼き器の油を吸わせてポイ!)、さらにその玉子焼き器でソーセージを焼き、キャンディーチーズとミニトマト、茹でたブロッコリー(下にマヨが入っている)。ほぼほぼ月曜はこれ。いつもは白いご飯だけど、この日は豪華にいただきものの錦松梅!笑)


そして、週一は麺。この日は、娘のリクエストで「お友達が持ってきている具なしの焼きそば」。おぉ、そんなラクしていいのか!ラッキー♪ と思いながら作りましたが、帰宅して「やっぱり具ありがいい」とのこと。世の中、想像と現実は違うことを学んだはず。笑)焼きそばは色々試したけど、お弁当用には「マルちゃん焼きそば 3人前」を添付のソースパウダーを1袋減らして水は入れないで作るのがおすすめ。冷めても麺がべちゃべちゃしない。それといつもの玉子焼きとちくわ(きゅうり詰めただけ)、ミートボール。ミートボールもおべんとう作り初期なら手作りにこだわるところですが、今では「イシイのミートボール」一筋です。HP見ていただければわかりますが、無添加です。なので、他のレトルトミートボールと比べて賞味期限が短いです。ちなみにイシイのミートボールくん、同級生です。そして、マルちゃん焼きそばくんは一歳年下です。ロングセラーには訳がある!(笑)


そして、夏限定ですが、冷し中華。沖縄のサン食品の冷し中華袋麺は、茹でずにそのまま食べられるので、袋のままお弁当箱に入れて、ハム・きゅうり・錦糸卵を用意するだけ。一応気持ち冷たいほうがいいかな、と保冷剤だけ入れます。こんなにラクなお弁当はない。早く来ないかな、夏。。(笑)


それから、我が家には学校の遠足の日限定のおべんとうがあります。それがスパムむすび。食器いらずで手も汚さずに食べられてお腹もいっぱいになる。そして作るのもかんたんなので、「お母さん、レジャーシートいるって…あとタオルは…」とか朝になってから言い出す人を想定した場合でもイライラせずに対応できるのも魅力です。一つだけ弱点があるとすれば、遠足でないほうの兄妹も自動的にこの日はスパムむすびになることです。最近では「あ、今日お兄ちゃん遠足?」って言われるそう。笑)スパムむすびを作る際は、スパムカッターとスパムむすびメーカーがあるとさらに時短です。私はその昔ハワイで買いましたが、どちらも検索すると結構手軽な価格で買えるみたいです。



*次なるステージへ

そして、我が家ではおべんとう作りの次なるステージが待っています。息子が自分でおべんとうを作ってみたいと言い始めたのです。それは願ったり叶ったり!!まだサポートが必要だけど、初めてのおべんとう作りはとても満足そうでした。実際作ってみて「これ毎日はキツイわ…」とも思ったらしく、私ももう少しキツイふりをして、いつか火曜日あたりのルーティン化を狙っています。笑



*終わりに

「おべんとう」って、日々の家でのごはんを囲むのと違って、机に置いた四角い箱と一対一で真正面から向き合わなきゃいけない独特の食事だと思うんです。そのおべんとうが市販のものなら、たぶんそこに見えるのは単なる食材そのものだと思うんですけど、それが家族の手作りとなると、親の顔だったり、家の匂いだったり、その場所に存在しない感情や情景がふっと浮かぶと思うんです。幼い頃なら家が恋しくなるかもしれないし、成長期になればそんな感情が恥ずかしいと思うかもしれない。それでも、なんとなく細い糸で繋がった自分の居場所みたいなものに無意識な心強さを感じるんじゃないかなって思っています。「おべんとうは中身じゃなくって、作ってくれたという満足感」 いつまでそう思ってもらえるかわからないけど、これからも肩の荷は下ろしっぱなしで、地味なおべんとうを作っていきたいとそう思っています。


*番外編

たまには凝ったのも作ります。前の日の残りだけど。笑)

フタを閉めたら潰れたけど。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?