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今週のkinologue【4/29-5/5】

合間の平日が通常営業だったせいか、あまり連休感のないまま、連休も終わる。連休恒例の親戚の集いで、10年ぶりくらいに行った柳島近くのフレンチが変わらずクオリティ高くて嬉しい。もはや定番となった泡ソースも最初に味わったのはここだったなぁ。鰆にグリーンピースのソース、春の味。

ここだけは変わらないけど、まわりはマンションだらけになっていた

100年ぶり!な東宝東和試写室。仕事で何度も通っていたけれど、業務試写以外で試写を観るのは初めて。早めに行ったつもりだったが、ほぼ満席だった。縁のない配給会社の作品だったので、ちょっと緊張していたが、宣伝担当が知り合いでホッとする。こんな時に旧知のライターさんに会ったりすると、ちょっと気まずい。両隣に座っていたライターさんは2人ともメモを取っていた。そうか、試写で観るしかない作品の時はそうするものなのね〜と初めて知った。連休が明けると締め切りが迫ってくる次回連載のために観たが、そうだなぁ、うーん。想像通りの良い作品だったけど、どう書くか。

ポール・オースターが亡くなった。ニューヨークといえばずっとウディ・アレンの世界だけだったのが、柴田元幸先生翻訳のポール・オースターによって新しい風景が加わった。そして脚本を手がけた『スモーク』によって具現化された(続編的な『ブルー・イン・ザ・フェイス』も好きだったけど、再び観るチャンスがなかなかない)。毎日同じ角度から店の写真を撮り続けるオーギー。あれはニューヨークタイムズに寄稿したショートストーリーだったっけ。いつまでも私の中でのクリスマス映画第1位。DVDを持っているが、今年はどこか映画館で観たいな。R.I.P.

岡山在住で素焼きの彫刻をつくるアーティストの友人の展示を観に銀座へ。銀座は最近「外国」の都市の匂いがする。香水や整髪料、そして少しスパイシーな匂いが入り混じっていて、これまでの銀座にはなかった匂い。視界の半分は外国人なのだから、当然か。本当に国際的な都市になったことと、安い国になったことを実感する。6年ぶりの彼女の展示にも、いつになく外国人が多数見に来ていたとか。昨年ポーランドのアーティスト・イン・レジデンスで滞在制作をしていた話を聞く。ウクライナから来たアーティストもいたし、ハマスの攻撃で慌てて帰国したイスラエル人キュレーターもいたとか。日本に観光で来る外国人からは感じられないけれど、外に出てみると、今、起こっている戦争は身近なものだ。フィンランドでもそれは感じた。距離があっても、私たちもその中にいることを忘れてはいけない。

ポーランドの話を聞きながら食べたポルトガル料理は、鴨とオレンジの炊き込みご飯。サラミも入っていて、ローズマリーが良い香り。

「次回配給作は?」という質問を最近よくされる。確かに聞かれても不思議ないくらい沈黙している。ずーっと迷っている作品があって、今週はもう1回観てみた。そしてもう1本、迷っている作品も観た。こちらは初めてだったが、思っていたより尖ってなく、すんなりと入ってきた。円安が変わらなそうなので、輸入業者としては痛すぎるのだけど、そろそろ決断の時か。



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