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ひとり出版者、再始動(4)

前回の再始動(3)note にあるように、『〈主婦〉の学校』AFTERBOOKを発売1年後に価格を変えて再発売した。1年前と同じ発売日にするとややこしいので、前日の5/10発売。十分ややこしいけど。再発売というのはこちらの勝手な言い方で、ISBNコードを新しくして発売したということは、新刊扱いなのである。それに伴い、トランスビューの共同DM「でた・でる」(トランスビューを取次としている出版社が今月出た本・来月出る本の広告を載せて冊子の形で全国の書店に送付するもの)にも出稿。これもまた久しぶりすぎて、色々忘れていた。そして、このDMの発送作業(封入大会)をトランスビューでやることになっているので、1年ちょっとぶりに参加した。

こんな冊子のDMが書店に届く。委託配本しない注文出荷制版元171となっている。

作業開始の17時ほぼ定刻に行くと、封入大会メンバーらしき方はお一人。いつもお世話になっているトランスビュー工藤さんに約1年ぶりに挨拶する。少し前にトランスビューさんで出した本が『〈主婦〉の学校』を参考資料としていて、パンフレットの寄稿者に献本したいとのご相談があり、その本「必要十分料理」を頂く。作業準備を整えていた方はどうやら前回も参加されていたようで、「ビニールのゴミはこちらに」「紙のゴミはそちらに」とテキパキ指示してくださってありがたし。ああ、こんな感じだったなぁと思い出しながら作業をしていると、どんどん参加人数が増えてくる。すると分業体制が整ってきてスピードアップ。なんとなく見たことある気がするなぁという方もいたが、はっきり覚えていないので、雑談をしながら手を動かす。どんな本を出しているかの話になると「映画配給が本業で」という話をせざるを得ないので、しばし珍しがられるのはいつものこと。今回はそこからフランス映画やNETFLIXの話をしながら、楽しく作業が進んだ。前回もそうだったが、ここでの雑談、ホントに楽しい。皆さん、話題が豊富なのだ。作業途中に本の受発注サイトの説明会があったので、そちらに参加。先日、某独立系書店のつぶやきで「使いにくい!」と言われていたのはたぶんこのサイトのこと。私も最近手動で発注するときによくわからないことが起きて、トランスビューさんにフォローしてもらった。詳細を話すと、やはりシステムのバグらしい。まぁ、少しずつ改善されていくのでしょう。説明会から戻ると作業が終盤に。人数が更に増えていてあっという間に終わっていた。

残業メシが本格的で美味!ビールサーバーまである。この後グラタンも。

作業が終わると「残業」という名の飲み会。トランスビューさんが用意して下さるごはんを食べながら、ようやく名刺交換。今月は何の本を出したか聞くと「あー!FAXでよく見ます!注文多くていいですねー!」と始まる。「もう動かない在庫、どうしてますか?」「書店に営業行ってます?」「校正頼んでます?」など同じ悩みを抱えるひとり出版社どうしの情報交換が止まらない。前回は出荷作業の合間に行ったこともあって、早々に引き上げてしまったが、今回はゆっくりいたので色んな話ができた。今回話した版元さんは4年目で専門書の4冊目を作っているところという方、同じく4年目で今月2冊同時刊行という方、今月1冊目を発売したばかりという方、2年目で先月出した写真集で今度書店イベントをするという方などなど。聞いていると元々編集者だったが自分で作りたい本を出すために版元になったという方が多い。著者ネットワークがあり、文章のリライト&編集&校正も自分でできる人たち。紙や体裁、装丁などのこだわりが強い方も。大手ではできないことをやりたいと思ったら行き着くところだ。正直パンフレットの延長を脱してないkinologue booksはその域にはまだない。4年目の方が「なんとかなってますよ」とさらりと言っていたのが眩しく、色々勉強になった。その後の自己紹介タイムで次の刊行予定について話す。後には引けないなぁ。配給と違って在庫を抱える恐怖と戦わないといけないが、やはり出版は配給にはないものがあって面白い。次作ではもっときめ細かい動きをしていこう!


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