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今週のkinologue【3/28-4/3】

あっという間に桜が満開となったと思ったら、今日は冬のような寒さ。服を出したりしまったりが激しくて困るけど、桜を楽しめる時期は長くなったかな。もう少し、地元の桜の名所をまわれるといいなぁ🌸 
10月から続く『〈主婦〉の学校』の上映も76週目となった。いよいよ来週77週目でファイナル。

月曜日は仕事しながらオスカー速報をチェック。さまざまな配慮がなされ、公開中の作品がバランスよく主要賞を分けて受賞したのは、日本にとっては良い結果だったのでは。『コーダ〜』が作品賞を受賞したのも、強いていえば、、、という感じで圧倒的な作品がなかったということか。いつも落ち着いている濱口監督も、さすがに興奮していた様子が好印象。ウィル・スミスのビンタ騒ぎにブルース・ウィリスの引退が被さって、ハリウッドの話題としてまとめられて終わったのはなんだかねぇだったけれど。
先週noteを書いたときにはまだ観ていなかった、ケネス・ブラナー脚本賞受賞の『ベルファスト』を観た。もう10年近く前、ベルファストに行った。映画の舞台となった辺りは現地バスツアーでまわって、観光地化されてきたとはいえ、まだ気軽に歩けない緊張感があった。ダブリンから行くと、急にユーロは使えないし、レストランで聞こえてくる英語はアクセントが強すぎて全くわからなかったけどw、イギリスに近いことを肌で感じてダブリンより勢いがある印象だった。BREXITもあり、今はきっとあの頃とはまた変わっているのだろうけど、そんなノスタルジーもあって、ものすごく観たかった。そして、期待以上の素晴らしさ。全編ほぼモノクロなのに、豊かな彩りを感じさせるような作品だった。幸せな日常が、ある日突然破壊されていく理不尽さは、今のウクライナの状況と否応なしに重なって見える。そんなつらい物語の中でも、キラキラしてかわいすぎる主人公と美しくカッコよすぎる父母、滋味あふれる祖父母(ジュディ・デンチだと暫く信じ難かった)は文句のつけようがない。病院でのじいちゃんと、背中を向けて見送るばあちゃんのシーンは圧巻。2人とも助演賞にノミネートされるよね、そりゃ。ヴァン・モリソンの音楽も含め、久しぶりにシネコンでいいモノ観た感があった。しかし、この素晴らしさ、コア層からしか聞かないが、このキャッチでどれだけ伝わっているのだろう。ひっそり終わってほしくないなぁ。

素晴らしいといえば、おかんアート!笑。渋谷公園通りにおかんアート登場ってちょっとした事件ではないかと楽しみにしていたわりには会期終了間近にやっと行けた。先日読んだ朝日新聞によると、予想を超える来場者とか。

残念ながら1人で見に行ってしまったけど、同世代の友人と一緒だったら、かなり盛り上がっただろうなぁ。石鹸に虫ピンを刺してリボンを巻いていくソープバスケットとか、綿の紐を巻いて切って作った犬とか、懐かしすぎて「うわっ!」と1人でもつい声を上げてしまった。米山京子先生や大高輝美先生の人形づくりの本が展示されているを見て、全く忘れていた自分がよみがえってクラクラした。決して器用じゃない私でさえ、手作りの思い出がたくさんあり、あの頃、ホントにみんな手芸女子だった。私も含めてほとんどの手芸女子はそこで終わってしまったのだろうけど、おかんアートの作り手たちは止まらず、作り続けていた。おかんたちは、お茶菓子を持って集い、おしゃべりをしながら、今も手を動かし続けている。おかんアートは、そんなコミュニケーションや日常的実践から生まれたヴァナキュラーなアートだ。それは、イリイチの「シャドウ・ワーク」にあるように、市場で売買されないもの。そういう価値にたまらない魅力を感じてしまう。圧倒的物量の映えにやれるのもよし、手芸女子の思い出に浸るのもよし、10日まで開催!ステッカー2枚も貰えるよ♡


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