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【音楽空想日記】ナハトムジーク Part1

曲を聴いて感じた世界観だったり、
インスピレーションを記しています。

今回はMrs. GREEN APPLEのナハトムジークからです。

※ただの一個人の空想なので、現実とは何も関係ありません。よろしくお願いいたします。

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夜は嫌いだ。

私を無条件に孤独にする。

今朝歩いたはずの道もとても暗く、
自分の呼吸を浅くしてしまうほど静かだ。

「夜なんて無くなればいいのに」

「どうして?」

ため息同然の独り言への返答に驚いた私は
後ろを振り返った。

そこには、真っ白な服を着た1人の青年が立っていた。

「夜はとてもいい所だよ」

疲れているのだろうか、きっと今の私には
見えてはいけないものがみえている。

こういうのは相手にしてはいけない。
家まで着いてくるから、と友人が真っ青な顔で話していた記憶が蘇る。

私は彼の言葉には答えず、再び前を向いて歩き出した。

「夜の何が嫌いなの?」

そんなのお構い無しに、彼は私に話しかけ続ける。

早歩きにするも、付いてくる。

「暗いのが苦手?」
「少し寒くなるから?」
「んー、眠くなるから?」

朝から夜まで働いた脳に響く意味のわからない質問は、私の苛立ちを大きくしていった。

幽霊だかなんだか、分からないがもう我慢ならない。

「これ以上付き纏わないで!取りつくなら他の人にして下さい!」

彼は私の言葉を聞いて、あははと笑った。

「そんな事しないよ、むしろ君を助けに来た」

彼は私の反応を楽しみながら、指をパチンと1回鳴らした。

その瞬間、まるで異国のような
いや、銀河の中にいるような景色が目の前に広がった。

「…何者なの?」

「夜の住人、かな?」

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