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山ヤ歩きを習得しましょう

こんにちは。Kinnyです。当方、積雪期登山ガイドステージⅡ取得者です。

さて、昨日は、80代のアクティブおばあちゃんを山にお連れしました。
そこで分かったこと…

  日本人的性格が山ヤ歩きの習得を阻害している

ってことです。

日本人的性格=競争。特に団塊の世代。

昨日は、山で御年80歳のおじさん登山者が、80代だぜ!山やってるぜ!と80代同行者女性にPRするので、かなり時間取られ、参った…。このおじさんは、井原山程度で、山自慢しているところを拝見すると、定年退職後に登り始めた、山の世界のことを分かっていない人、でした。伝統的に本格的な山では、自慢になる山というのは、割れています。

そんなことより、大事なこと… 

 ”山ヤ歩き”の習得、

です。

これがない限り、屋久島には連れて行かないと同行者には言ってあります。

なぜなら、長い時間疲れずに歩く、ということが、山歩きでは肝で、それがない限り、遭難してしまうこと確実だからです。

さて、山や歩きの要点を書いておきます。

1)足置きの場所選択 

どこに足を置くか?要は滑るところにはおかない。
葉っぱが滑る場合もあれば、滑らない場合もあり、岩が滑る場合もあれば滑らない場合もあり、土の上が滑る場合もあれば、ダメな場合もある。

2)足置きの場所選択2 

できるだけ標高差が少ないところに足を置く

3)小幅な歩幅  

歩幅は小さく。靴の長さくらい、と言われています。

4)前以外に横にも体を使える 

蟹股歩き以外のスタイルを身に着けます。

5)手で木などを持つ

手で持ってから足を出す、足出してから手で持つ、ではない。

6)ストックを使う

ストックを使い慣れると山ヤ歩きの上達が早いです。3点支持が身につくためです。3点が足裏2点の2点支持より、安定することは自明でしょう。

7)汗をかかないくらいの経済ペースで歩く

汗をかけばその上に風が吹き、低体温症のリスクが増えますので、服が濡れる前に、衣類を調節します。

8)水をこまめに飲む

1時間に体重×5mlです。

山や歩きを習得するのが、山を歩く目的であり、いくら早く歩いていても、山ヤ歩きが身についていなければ、大きな山には全くつながりません。

はあはぁゼイゼイ言う人を、高い標高の場所には連れていけないからです。おじさんたちは、はぁはぁぜいぜい言うのがカッコいいともで思っているようですが…(汗)。それが間違っていることは、山やの本を読めば書いてあります。ただ人が山に行く理由はそれぞれで心肺機能を高めたいのであれば、そうすればいいのです。ただし、山や気どりをそれでしてしまうのは、本格的に山をやっている人から見ると、滑稽ということは言えます。間違った方法論を自慢していることになるからです。

汗をかかないくらいの経済ペースが、最初は遅くても、足を置く場所の選択にかかる判断のスピードが上がってくれば、早くなります。

汗をかかないくらいで歩かないと、冬山は歩けません。

冬山は歩けないのでいいし!というので、大汗かいて登るとしても、夏山でも汗は禁物です。汗の上に風が吹けば、低体温症にはすぐなります。

”上を目指さない山”、であれば、別に経済ペースを無視して好きなように歩いて構いませんが、自分の歩き方が、正しい山の歩き方である、と言う主張は間違っています。上を目指していないのに、どーだ!俺80代で山やってるぜ!って自慢はどうなんですかね?そこらへんが、日本人の競争意識が間違った登山スタイルに導かれ、遭難者過去最高を毎年たたき出している原因のように思われました。

繰り返しになりますが、夏山でも、濡れた上に風に吹かれれば、低体温症で死んでしまいます。

汗をかかない、これは、山やの知恵なのです。

それを学ばないで、どんどん山を大きくしても…なんの意味があるんでしょう??

山ヤにとっては謎です。

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