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「2年前、麻雀が怖くなってしまった私へ。決してやめないで」(文・頼さくら)

 


夫婦で麻雀プロをしています

はじめまして、日本プロ麻雀連盟38期の頼さくら(らい さくら)です。

旦那は最高位戦日本プロ麻雀協会に所属する頼修広(らい のぶひろ)です。
私たちは結婚してすぐ麻雀プロになりました。
今は夫婦で同じ麻雀荘に勤務しており、良いお店を作ろうと日々奮闘しております。
麻雀最強戦2024出場プロ読者アンケートに参加したところ、このようなnoteを書く機会を頂きました。
最強戦に出て、あの場でしか得られないような経験をしたいです。
投票は【66番】頼さくらをどうぞ宜しくお願い致します。

麻雀、旦那との出会い

私は学生のころ雀荘ウェイトレスのアルバイトをしていました。
麻雀は一切打たずにドリンクを運んだり、おしぼりを交換するお仕事です。

ウエイトレスをやっていた時に菅原千瑛プロと撮っていただいた写真

24歳のとき、そのお店で旦那と出会いました。
そこからはよくある話で、彼氏(現旦那)に麻雀を教わりました。
二人の共通の趣味や好きなものが麻雀とラーメンぐらいしかなかったので、ずっと麻雀をしていました。

麻雀プロをやってみたい!

旦那には一度プロテストを受けて落ちた過去があります。
私より麻雀が強い旦那が落ちるなんて、私には到底無理とずっと思っていました。
でも、Mリーグ・鳳凰位戦・最強戦などたくさんの映像対局を観て、打っている姿に一喜一憂し、「この人たちが打っている様に私も打てるようになりたい」、「フリー雀荘ではなく、リーグ戦やタイトル戦というステージで打ってみたい」と漠然と思い始めました。
このとき私は27歳。

「今日が人生で一番若い日だし、やらずに後悔するよりは・・・」と、どこかで聞いたような理由を並べ、明確な目標も決意もなく、勢いで日本プロ麻雀連盟のプロテストを申し込みました。
そして結果は「正規合格」
嬉しさと不安を胸に私は麻雀プロになれたのです。
 

 麻雀プロを辞めたほうがいいと思っていました

デビュー戦は【桜蕾戦予選】

プロの公式戦会場の空気感、SNSでずっと見ていたプロたちのオーラ、全員の眼差しに宿る「絶対に私が勝つ」の強い闘志。
私は泣きそうで、みんなの闘志とプレッシャーに押しつぶされそうでした。
もちろん手は震えていたのですが、この時は手だけじゃなくて全身が震えていて、とにかく椅子から落ちないことと、牌をこぼさないことに必死になっていました。
でも、気づいたらパニック状態になってチョンボをしていました。
デビュー戦だから、過度に緊張してしまったのかなぁと同卓者にすごく申し訳ない気持ちを抱きながら、その日は予選敗退しました。


半年間、対局の度にチョンボをし続けた

桜蕾戦の予選を終えてから、リーグ戦、マスターズ予選、WRCリーグ、十段戦などの公式戦を迎えました。
でも、卓に着くと過度の緊張感と全身の震え
正直人生でこんなに緊張状態になったのって覚えてないぐらい、毎回緊迫していました。
そして、毎回パニックになって、チョンボやアガリ放棄をしていました。
私はだんだんと対局の日が近づくにつれて、気持ちが落ち着かなくなりました。
旦那はいつも笑顔で励ましてくれて、会場に向かっている間も「落ち着いて楽しんで」とLINEをくれました。

しかしまたエラーをして、帰り道に旦那に「今日もやっちゃった」と報告する。
この繰り返しでした。
対局の度にエラーをして、自信をなくして、思考がどんどんネガティブになっていました。
「麻雀に勝ちたい」ではなく、「エラーをしたくない、普通に対局を終えたい」という気持ちが強くなっていました。
半年間、成長もせずにエラーを続けると「やめようかな」という迷いが生じて来ました。

「エラーをするためにプロになったのか」
「プロになっちゃダメだったのかな」

「他の方々も私との同卓は嫌だろうな、申し訳ない」
「他の方々にとって迷惑な存在でしかない、対局を壊してしまうのだから」

ネガティブに拍車がかかってきました。
今これを書きながら、当時の苦しさを思い出して、ちょっと泣いています。
本当にどうしたらいいかわからなくて迷い込んでいたと思います。
ただ、大きく発狂せずに半年間続けられたのは、何を言っても冷静な旦那のおかげだったと思います。


そんな自分を変えてくれたあいだてさんとの出会い

あいだてさんとは日本プロ麻雀連盟の現A2リーガーの石立岳大(いしだてたけひろ)プロです。
大先輩をNoteで愛称呼びするのは失礼にあたるかもしれませんが、尊敬の意も込めて、本記事では「あいだてさん」と記載させて頂きます。
あいだてさんの愛称についてはこちら

ひょんなことからあいだてさんと増田隆一プロがいる飲み会に同席させてもらう機会がありました。
話の流れで、私は公式戦でチョンボをしてしまう話をしました。
ちょうど次の公式戦として控えていたのは第4期桜蕾戦の予選。
私はあいだてさんと増田さんからアドバイスをもらいました。

そのアドバイスはとてもシンプルなもので、対局中にパニックになりやすかった私はアドバイスを呪文のように唱えることでそれ以外のことを考えないように打ちました。
そして運もよく、桜蕾戦の予選はチョンボをせずに通過することができました。
それからというもの、タイミングが合えばあいだてさんと増田さんと飲みに行く日が増えました。

そして、あいだてさんがいつも言ってくれる

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