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「内川が考える打牌の数字に隠された〝麻雀の恐怖〟。そして麻雀が勝ちたがりすぎちゃっていた松ヶ瀬。2人が考える不調の原因、そして打開策は?」

近代麻雀note・Mリーガー対談スペシャル企画。大和証券Mリーグ2023-24シーズンも終盤戦を迎えているが、3月8日終了時点で内川幸太郎は個人成績34位、松ヶ瀬隆弥は最下位と、共に苦しいシーズンを送っている。過去の実績を考えればにわかに信じがたい結果だが、彼らはその数字をどのように捉えているのだろうか。(全3回の2回目/#1、#3へ)(取材日・3月5日)
[文・東川亮]


■ひょっとしたら、麻雀が変わっているのかもしれない

――今シーズンのMリーグではお二人とも、成績が芳しくありません。なんでこうなってしまっているのか、思うところはありますか。
 
内川 僕自身は、何にも変わっていないんです。データもちょいちょい、非公式さん(Mリーグ成績速報(非公式):https://twitter.com/mleague_results)がまとめてくれている表などでわかりやすく見ているんですけど、別にフーロ率も変わっていないし、ホーラ率も20%くらいあるし、放銃率はいつも通り10%前後だし。データを見る限りは何も変わっていないけど、17試合で8回ラスれば200沈むかな、みたいな感じですね。

 素点も3万点ぐらいしか負けていないのですごく調子が悪いという感覚もないですけど、今シーズンは「ラスを引かされている」感じですね。2万点台のラスとかもすごく多いですし。むしろ僕、年末まででプラマイゼロなんですよ。直近が4434とかで、年明けしてから200マイナスしただけなので、瞬間的な波という感覚で捉えています。

松ヶ瀬 僕も自分の成績の数字とかは見ますけど、トップ3回、2着6回、3着4回、ラス8回(3月5日現在)、成績に対しては負けすぎているんですよ。マイナスが大きすぎるんですよね。素点が全然ない、大きな箱下のラスとかが結構あって。じゃあそのときの試合を振り返ってやりようがあったのかというと、当然行くやつを行って負けた、みたいなのも多かったし、とにかくリーチ負けみたいなのが多かったです。

 でも、今になって気づく部分も少しあって、若干スタートダッシュがうまくいかなくて、気持ち的に焦っている部分はあったんだろうなと。それで麻雀が変わるかと言えばそこまで大きく変わらないですけど、影響はたぶんあったんじゃないか、とは最近よく思うようになりました。細かい選択のところでちょっとした差が出てくるんですよね、きっと。振り返ってみると、麻雀が勝ちたがりすぎちゃっている。それは修正しなきゃいけないと思いながら打っていました。

――この前のトップを取った試合(3月1日第2試合)で、オーラスに小林剛さんのリーチに対し、役ありの現物待ちに受けられるのに現物を切って役なしのリーチに踏み切った局も、そういうところの影響があったのでしょうか。
 
松ヶ瀬 25pではなく14s待ちにしたやつですね。もともと14s待ちで、2pを引いたところで現物の赤5pを切ったという。1sを切れば役ありで。あたるかは分からないですけど、あの局面に関しては、別におかしいことをしているつもりもなくて。自信のない選択の時っていろんな人に聞くんですけど、そこはどっちの選択をとってもっていうところがあります。人によっても答えは分かれちゃうだろうし。自分の中では常に最善の選択をして、結果どうなるかっていうだけなので。でも、今までだったら違う選択をしていた可能性はあるわけで、となると、ひょっとしたら僕は麻雀が変わったのかもしれないですね。

■ワースト1・2の2人

内川 勘違いしちゃうかもしれないですね、悪いことが続くと。合っているのかどうなのか、松ヶ瀬さんの序盤の焦りって、今になって、というところじゃないですか。暗闇の最中はわかりにくいので、トップ取ってちょっと冷静に戻ると、合っていたかどうかの精査ももう少し精度が良くなったりする。数字を見ていると、見えてくるものもありますよ。さっき松ヶ瀬さんが「リーチ後によく放銃した」と言っていましたけど、リーチ後負けは僕らがワースト1・2です。松ヶ瀬さんワースト1位。

松ヶ瀬 俺が一番負けてるの?

内川 22%負けてます。

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