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「出雲大社造営記」後編

noteの世界のみなさん、こんにちは。きんぐじょーです。「出雲大社造営記」前編では、「安土城」築城から、出雲大社の組み上げや塗装についてご紹介しました。今回の後編では、さらに古建築の魅力をアップさせるために試みてみた「小細工」について書こうと思います。(前編よりも先に表示されてしまっていたので、あらためて投稿し直しました)

神社の敷地には「玉砂利」を

前編でご紹介したように、柱や壁パーツのガサガサ加工や、木目の表現を経て、出雲大社そのものはほぼ満足のいく仕上がりに。この時点では大きく①社本体②屋根③土台-の3つを組み上げた形になりました。このあと、この3つを合体させれば、キットの完成ということになります。ただ、屋根部分については、あることを思いついた事から、接着せずに取り外しができるままにしようと考えていました。というわけで、まずは土台と社本体をがっちりくっつける作業です。

キットの土台パーツには、社本体の脚柱部分を接着するアテになる、柱の敷石など、一定のモールドが施されていました。ここに本体を接着していくわけですが、組み上げた社側の脚柱は若干のずれやゆがみがあるので、これが全部敷石に着地してガタつかないようにまずは調整です。脚柱を削るなどして、概ねくっつきそうな事を確認。それに加えて、この土台部分に、もうひと手間かけることにしました。

使ったのは「安土城」を作るときに購入した、ジオラマ用のバラスト(砂)です。手のひらキットだった安土城ではほんの少ししか使っておらず、まだかなり余っていたので「こいつを地面に敷き詰めてみたら、雰囲気がでるはず」と思いました。神社の敷地によくある玉砂利を表現してみようというわけです。

バラスト。色合いもいろいろの「砂粒」ですね

テレビ番組でやっていたように、「木工ボンド」を水で薄めて土台パーツに筆塗りし、パラパラと少しずつバラストをばらまきます。で、敷き詰めた上からも木工ボンド液をスポイトでたらたらとたらしていきます。貼り付けムラを修正し、ボンドが乾いた後で土台をひっくり返し、くっついてくれなかったバラストを回収。これでがっちりバラストがくっつき、「玉砂利の敷かれた社の土台」が完成です。

敷地に敷き詰めた砂利の感じ、伝わりますか?

「土の粉」で枯れた茅葺き屋根感を

こうして出来上がった土台と社本体を接着して、最後は「出雲大社」の荘厳さを印象づける「茅葺き屋根」の表現です。ここでもネットの先人のみなさんの知恵を拝借。バラストと同様にジオラマ制作で使われる「ジオラマパウダー」などと呼ばれている素材を利用することに。茅の枯れた色に近い茶色いジオラマパウダーを屋根の表面に貼り付けることで、茅葺きの屋根を表現することにしました。

ジオラマパウダーの「土」

この作業も、土台の玉砂利敷設とほぼ一緒です。薄めた木工ボンド液をさっと塗っては、ジオラマパウダーをふりふり。最初は均等に貼り付けるために茶こしで振りかけていたのですが、途中で例のごとく面倒くさくなり…指でつまんでパラパラ降りかける方式に変更です。

固着のためにたらした木工ボンド液でパウダーが流れてしまいムラが出来たりもするので、慌てて修復することは何度も。なかなか大変でしたが、すべて乾燥すると、パウダーはしっかりくっつき、手で撫でてもパラパラとはがれたりするようなこともありませんでした。ボンド液が乾いていないときは、パウダーが湿っているせいで茶色がかなり強く見えて少し心配でしたが、乾くと思った以上に〝枯れた〟感も出て、それなりの味わいに。

制作からしばらく経っているので、屋根にほこりが…それもまた味わい深く?

このあと、屋根に飾り(千木とか鰹木とかいうらしいです)を接着。ここはつや消し黒で塗ったあと、ドライブラシで薄い灰色を角や端々に乗せて、風雪にさらされた感じを出してみました。こうして、出雲大社はようやく〝造営〟(神社などはこういう用語を使うらしいです)に至りました。記憶が定かではありませんが、期間にしてやっぱり3~4カ月はかかったのではないかと思います。

社本体に納めたかったもの

そうそう、前編で少しふれた「屋根を社本体に接着せずに外せるようにしたかった件」について。この社本体は中が空洞になる作りになっています。屋根を接着しなかったのは、「ここに買ってきた宝くじを納めておけば、もしかしたら高額当選するかもしれない」という〝珍案〟が頭に浮かんだからでした。

茅葺き屋根を取り外せるようにして、宝くじの「保管場所」に

で、キットの完成以降、買ってきた宝くじは毎回、ここにしまい込むように…でも、やはりと言いますか、そりゃそうでしょと言いますか、案の定末尾当選ばかりが続きました(笑)。ところが、あきらめもせずに〝奉納〟を続けていたところ、2021年末の年末ジャンボで、90枚買ったうちの1枚が何と「3000円」に当選~。……私の愚行はこの先も続くことになりそうです。

完成した出雲大社。照明の当て方次第で雰囲気も変わるものですね

さて、完成した出雲大社全体を撮影した写真を最後にアップして、今回の造営記を書き終えたいと思います。拙い文章に最後までお付き合いいただきありがとうございました。(了)

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