#0119【マンション管理】マンションの管理会社の分類

分譲マンションの建物管理には管理会社がいることが大半です。管理会社がいない場合は自主管理という扱いになります。管理会社がいる場合、管理会社には成り立ちや特徴からいくつかに分類されます。今回は管理会社の分類(タイプ)について説明します。

【管理会社の数】
2001年にマンション管理適正化法が施行されました。この法律ではマンション管理を業として行う会社は国土交通省に登録することが義務化されています。日本には約2,200社の管理会社が存在しています。正確な統計数値ではないので、関心がある方は調べてみてください。

【管理会社の役割】
管理会社はマンションの管理組合を顧客として管理委託契約に基づき、マンションの出納業務、建物や設備の維持修繕の業務、マンション管理組合の総会や理事会の支援業務を行います。

【マンション管理会社の分類】
管理会社は大きく分けて4タイプくらいに分類されることが多いです。個人的にはこの分け方はMECEな分類(漏れなくダブりのない分類)ではないような気がしますが、このように分類されていることが多いので、分類の問題はいったん置いておき、それぞれの特徴などについて簡単に説明します。

〈①デベロッパー系〉
マンションを分譲する不動産会社の関連会社などで管理する業務を別会社としている場合です。典型的には親会社やグループ内のマンション販売会社が販売したマンションを管理する立ち位置で管理をスタートさせます。分譲時に競争原理は働かず紐づいて管理を系列の管理会社が行う場合が典型例になります。

〈②ゼネコン系〉
マンションの建設工事を手掛ける建設会社が設立した管理会社です。親会社が施工したマンションの管理を受託するケースが多くデベロッパー系に近い管理会社です。

〈③独立系〉
特定のデベロッパー系列に属さない比較的中小規模の管理会社です。自社に工事部門を持つこともありますが、基本的には管理をメインで利益を出すことに注力している会社です。リプレイスにより管理を獲得して規模を拡大しているのが特徴です。低価格で受注することが多い印象です。

〈④ビルメンテナンス系〉
オフィスビルの管理など建物の管理を出発点としてマンションにも管理を展開している会社です。メインはオフィスビルの管理である場合はマンションの管理はどちらかというとノンコア事業の位置づけのことが多い印象です。

【最後に】
マンションの管理会社は一度、受託してしまえばなかなか変えられないため管理棟数を増やして安定収入を確保するのがビジネスモデルです。また管理だけではなく、付随して発生する修繕工事、大規模修繕工事の受注をすることで工事でも利益をあげることも彼らのビジネス機会になっています。管理組合を管理の委託先として自ら工事の機会を提案し、工事の委託先として受注もすることから利益相反がおきる場面もあります。この点については別の機会に考えてみたいと思います。最後までお読み頂きありがとうございました。


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