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9.変えることに固執してしまう人へ

 自分の所属する社会に対して「このままではいけない」「この制度はおかしい」「こうあるべきだ」という思考に常にとらわれて、それらを変えることに注力する人は往々にして仕事ができない。
不満をもつという行為自体がひとつの余計な思考となって日々のタスクに影響を与える。会社で働くということに対する本当の意味でのあるべき論を展開したい。


1.変えることにとらわれることは不幸

日々の自分が過ごす環境に対して改善点を探し、提案していくこと自体は大事な行為であるし、適度に行うべきものである。
自分を含めた多くの人が100%のアウトプットを出すために、ルールや慣習を整理したり、最新のプラットフォームを導入したりできることは才能であり、現代の生産性重視の組織には必要なアップデートである。現在の不満は将来の成長の大きな原動力となる。
そこから生まれるアイデアは、他の人の幸福につながることもあるだろう。

ただし、不満は時に人に狭い視野での固定概念を植え付け、その不満が多くのネガティブな結果の要因に対して関係しているかのように錯覚させ、仕事や会社のサービス全体に対して懐疑的な思想を増長させることがある。

そうなると日々の単調な作業レベルで自分の理想とずれていないかというところまで気になり出して、目の前の取り組むべきタスクにも支障をきたす。

考えすぎて、ネガティブな側面だけに目がいってしまうようでは、それはもう改善や工夫を飛び越えて、不幸である。

不満に対し、私たちは日々どのように距離感をとり、向き合い、交渉や折り合いをつけるか、ということである。

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