ドライブ中に見つけた定食屋
みなさん、おはようございます。
kindle作家のTAKAYUKIでございます☆彡
過日。久しぶりにドライブを楽しんでいると、海岸線沿いに一軒の定食屋さんが目に留まった。
時刻は13時。だけど車が1台も止まっていない。今日は金曜日。なんとも寂しいではないか。
僕はUターンをすると、駐車場に車を停め、暖簾をくぐった。
「いらっしゃい」
厨房から女将さんの声が聞こえた。その声はまるで実家に帰ってきたかのような感じに聞こえた。
店内には僕しかいない。
せっかくなのでテーブル席に座った。
女将さんが、お茶とおしぼりを持ってきてくれた。女将さんはカジュアルな服装の上に、白色のエプロンをしていて、赤色のバンダナ? も着用している。
「今日はお休み?」
女将さんは注文を伺う前に、僕の私服姿を見て質問してきた。
「ええ…あの、おすすめは何ですか?」
「そうね…」
すると女将さんは以下のメニューを諳んじた。
・アジフライ定食
・お刺身定食
・ニラレバ定食
・野菜炒め定食
「ぢゃあ………し、生姜焼き定食で」
「………はいョ」
女将さんが厨房に戻って行った。
僕はしばし後悔する。なぜ女将さんのおすすめメニューを度外視して、生姜焼き定食を注文してしまったのか。
だけどチンラにさ、嗚呼…チンラとはランチのことネ。
気を取り直して………チンラにさ、アジフライを食べますぅ?
ってか、いくらフライだからと言って、白米が進みますぅ?
あと、お刺身定食も然り。お刺身と白米って合いますぅ?
レバニラも野菜炒めも然り。
白米に合いますぅ?
すみませんネ、文句ばかり言って。
僕のチンラの条件は一つ。いかにして白米を美味しく食べるか。それにつきます。だからラーメンを注文すれば、必ず半ライスも注文します。それくらい僕は、チンラに白米を食べる事を渇望しているのであります。
そうなると、ここは生姜焼き定食でしょう!
ってか、勝手に生姜焼き定食って言っちゃったけど、あって良かった。まあ定食屋さんに生姜焼き定食は必須ですもんね。
「はい。お待ちどうさん!」
生姜焼き定食が運ばれてきました。
これはうまそうだ!
それでは喫食。
小さな声で僕は言った。
「いただきまあす」
まずはお味噌汁を一口。ちょっと味噌が多い気がするけど、及第点でしょう。
そして豚肉の生姜焼きを口の中へ………。
「これはうまい!」
僕は大急ぎで白米を口の中に入れました。
咀嚼していると、生姜の味と豚肉の柔らかさがあいまって、そりゃ美味しいですよ。
マジで美味しいです!
「す、すみません。ご飯のおかわりってお値段………」
「いいわよ。サービスね」
女将さんがご飯のおかわりを無料にしてくれた。
これは最近始めたアファメーションの効果だ。
僕は今日のドライブ中にも「僕はツイている」と50回唱えていたのである。
やったね。うれぴー。
あとは香の物も、やっこも美味だった。さらにトマトが甘くて予想以上の美味でした。
僕はまた小さな声で言った。
「ごちそうさまでしたあ」
お腹もいい塩梅になったので、会計をして帰ろう。
「また来てネ!」
女将さんがほほ笑んだ。
勿論、勿論、また来ますよ。だってご飯のおかわりを無料にしてくれたのだから。
「お店の休日はいつですか」
僕は女将さんに尋ねた。
「月・火・水・日の週4休みなのよ。うふふッ」
女将さんがほほ笑んだ。
「分かりました。ご馳走様でした」
僕は店を出た。
海が一段と輝いている。
このままなら、キレイな夕日を拝めるに違いない。
運転席に乗り込むとエンジンをかけた。
「コンコン」
運転席の窓が音を立てた。
女将さんがこちらを見てほほ笑んでいる。
忘れ物でもしたかな?
僕はパワーウインドーのボタンを押した。
「これ飲んでって」
女将さんが微糖の缶コーヒーをくれた。
「す、すみません。では遠慮なく頂戴します」
「あらやだ。若い者が遠慮なんてしちゃだめョ」
そう言うと、女将さんは小走りで店に戻って行った。
僕は再び海岸線を走り出した。
女将さんから頂戴した缶コーヒーを一口飲む。
その味を確かめながら、果たして女将さんは何歳なのだろうと、僕はそのまま考え続けた。
ふと立ち寄った定食屋。
まさかこんな出会いがあるとはネ!
僕は横目で海を見ながら、夕日を求めて進んで行った。
【了】
とらねこさんとのコラボ企画『kindleマガジン』発動中!
参加希望の方は下記よりコメントをお願い致します。
kindle作家になろう!(^^)!
よろしければサポートをお願い致します! 頂戴したサポートはクリエイターとしての創作費・活動費に使用させて頂きます。