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大きさにびっくり、景色に感動!五色塚古墳

10月のよく晴れた日、神戸市の五色塚古墳を訪れました。
最寄り駅は山陽電鉄霞ヶ丘。
駅から歩いて5分ほどの場所にあります。

住宅街を抜けると突然、目の前に巨大な古墳が現れます。
全長194m。兵庫県で最大の古墳です。


草木の生い茂るこんもりした古墳はよく目にしますが、葺石ふきいしが敷かれた巨大古墳は初めて見ました。

斜面にはソフトボール大の石がびっしり積み上げられています。
葬られた人の絶大な権力がうかがい知れます。
てくてくと階段を上ると……

目の前に美しい海が広がります。
高台に造られているので、明石海峡と淡路島が一望できるんです。

パンフレットを読むと「五色塚古墳は仲哀天皇の偽の墓で葺石ふきいしは淡路島から船で運んできたと日本書紀に書かれている」とのこと。
「偽の墓」??

仲哀天皇は第14代の天皇です。お后の神功皇后が有名過ぎるため、やや印象が薄いですが関門海峡を開拓し大陸への最短航路を確立したという大きな功績があります。

神功皇后と仲哀天皇

日本書紀によれば、仲哀天皇は熊襲征伐のために神功皇后を伴い九州へ遠征しますが、その途中で亡くなってしまいます。
産み月だった神功皇后は無事に皇子を出産。
さらに九州から朝鮮半島へ攻め入り、勝利を納めます。

しかし、大和にいた仲哀天皇の皇子2人は、生まれたばかりの皇子が擁立されるのを危惧し、船団を率いて明石で神功皇后を待ち伏せます。
その際、仲哀天皇の陵墓を作るふりをして淡路島からたくさんの石が運ばれたのだそう。
……なるほど。
敵を欺くために陵墓までつくるとは、大胆かつ巧妙な作戦です。

ところが発掘調査の結果、古墳の主はこの地域の豪族だと考えられているのだそう。
『伝承として地域に残っていたものを、日本書紀が採用したのでしょう』(五色塚古墳パンフレットより)。
書記の記述は後付け?

一体、被葬者は誰なのでしょう。帰り際に受付に立ち寄ると一枚のパンフレットが。

なんと地中レーダー探査をするため、「ふるさと納税」でのクラウドファンディングが行われていました。
ちなみに目標金額に達しなくてもレーダー探査は行われるそうです。
調査が始まるのは令和6年1月。今から結果が楽しみです。

帰りは垂水駅近くの「垂水漁港食堂」でランチをいただきました。
新鮮なお刺身が絶品でした。

実際に古墳に登り、その大きさに圧倒されました。
感動的な景色と古代の謎解きが楽しめる五色塚古墳。
楽しい秋の遠足でした。

五色塚古墳は山陽電鉄霞ヶ丘駅より徒歩5分。入場無料です。


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