小説 アリの活動 1
土の中からアリが出てきた、アリが活動して
一生懸命だよね。お父さんもこれくらい働いて
くれたらいいのに…
そう思うが…結婚相手を自己選択して
選んだのは自分だったけど
きっといいところも今は見えていない
だけだ
見晴は小学校から帰ってくる
圭介にこういうことは言ってはいけない
そう思い、気丈に振る舞う。
母親が小学校で見晴が
トイレに間に合わず、漏らしてしまい
落ち込んでいた時に亡くなった母親に言われた
天は見晴を見捨てたわけではない
天は救う人が多いのよ。
なんとも切なくなるのか…
私も困っていたのに、神様って
たまに相性が合わない。
仲良くケンカするトムとジェリーのようだ。
圭介が帰ってきた。
歌を歌いながら帰ってきた。
自宅まで10メートル手前の自動販売機の前から声が聞こえる自作の歌か、アニメのうただろうが
ごちゃごちゃになっていて見晴には
判別がつかない。
パパはいつ帰ってくるの~歌詞で
そういうフレーズがある。
サビではなさそうなので、言葉を流そうと
考えた。
おかえり。見晴は圭介の様子を見ながら
そう言った。
ただいま
宿題やってくる。圭介はそう話す。
勉強が習慣づいている。
見晴のしつけのたまものだ。
来週の火曜日、お父さんの様子を
見にいかないと、圭介がどう思うか…
そんなことを思い、
スケジュール帳を確認した。
親友の梅子との予定がある…