里塚一平

町の小さな動物病院を開院しています。開院前から縁のあった猫2匹を引き取り、その後も縁が…

里塚一平

町の小さな動物病院を開院しています。開院前から縁のあった猫2匹を引き取り、その後も縁があった猫と暮らしています。 旅行の記事を書かれているクリエイターさんの記事や、自分の知らない分野の記事を読ませていただくのを楽しみにしています。

マガジン

  • 動物病院四方山話

    動物病院でのエピソードを猫のみぃちゃん目線で物語にしました

  • フーテンのトラさん

    みぃ物語(みぃ出産編)で登場した『トラさん』の物語です

  • 動物のお医者さんシリーズ

    マンガ「動物のお医者さん」にちなんで、獣医学部の学生だった頃の思い出を綴ります

  • みぃ物語(みぃ出産編)

    動物病院で生活するようになった猫、みぃちゃん。一般家庭に保護され出産を経験し、その後動物病院で生活するまでをみぃちゃん目線で物語風に綴っています。

  • みぃ物語(動物病院編)

    動物病院で生活するようになった猫、みぃちゃん。みぃちゃんの目線から見た動物病院の生活を物語風に綴っています。

最近の記事

「動物病院四方山話」25(頑張れコサギさん! 03『 一歩ずつ一歩ずつ』)

私の名前は「みぃ」 動物病院で暮らしている猫 私が経験した動物病院での四方山話を紹介しています 前回の動物病院四方山話はこちら * * * 7日目 一週間が過ぎたわ。 朝起きた時には少しだけ「めまい」みたいな頭の動きが残っているんだけど、昼間はほとんど治まっているみたい。 昼間も起きて毛づくろいなんかをする時間も増えてきたみたいだし。 少しずつ動きが良くなってきたからなのか、体重が減ってきたわ。 360グラムまで。 一平ちゃんは流動食(整腸剤入り)は3ccを3回、

    • 「動物病院四方山話」24(頑張れコサギさん! 02 『少しずつ、少しずつ?』)

      私の名前は「みぃ」 動物病院で暮らしている猫 私が経験した動物病院での四方山話を紹介しています 前回の動物病院四方山話はこちら コサギさんが入院したその日の夕方、再び病院の電話が鳴った。 「頭を打ったかもしれないと聞いたので、家の壁を調べたら何かがぶつかったような跡があったんです。」 保護していただいた方が心配して調べてくださったのね。 ・・・という事は、やっぱり頭を打った可能性が大きいって事ね。 優しい方に見つけてもらって良かったわね。 せっかくいい人に保護して

      • 「動物病院四方山」23(頑張れコサギさん! 01 『めまい?』)

        私の名前は「みぃ」 動物病院で暮らしている猫 私が経験した動物病院での四方山話を紹介しています 前回の動物病院四方山話はこちら 病院の電話が鳴った。 「家の庭で二日前から野鳥がずっと同じ場所にいて、じっとしていて動かないんです。」 「野鳥って、診てもらえますか?」 早速連れてきていただく事に。 ・・・二日間も同じ所でじっとしていたとはどういう事だろう? 昨日、うちの病院は休診日だった。 昨日他の病院に電話したが、診てもらえるところが見つからなかったらしい。 市役

        • 「フーテンのトラさん」05(おいらが主役?)

          みぃ物語(「みぃ出産編」)で登場した『トラさん』の物語 前回はこちら 「トラさん、またお話し聞かせて!」 「タマよ、お前も懲りないねぇ。」 「いいじゃない、今日は暇なんだから。」 「何言ってるんだ、お前はいっつも暇じゃねぇか。」 「まぁいいや、俺も暇だからな。」 「あれはモミジの子もすっかり良くなって、赤い長靴も一安心してた頃かなぁ。」 「そんなある昼下がりのことなんだけどな。」 おいらが主役? なにやら真新しい作業を着て革靴を履いた人間が三人、港をうろついて

        「動物病院四方山話」25(頑張れコサギさん! 03『 一歩ずつ一歩ずつ』)

        マガジン

        • 動物病院四方山話
          25本
        • フーテンのトラさん
          7本
        • 動物のお医者さんシリーズ
          5本
        • みぃ物語(みぃ出産編)
          10本
        • みぃ物語(動物病院編)
          13本

        記事

          「フーテンのトラさん」04(小さなお寺)

          みぃ物語(「みぃ出産編」)で登場した『トラさん』の物語 前回はこちら 「トラさん。」 「その漁港にはしばらくいたんでしょ?」 「その頃の話をまた聞かせてよ。」 「タマ、お前もしつこいなぁ。」 「俺の話を聞いたって面白くも何ともねぇだろ。」 「あっ、そういえば」 「ちょっと切ない話を思い出しちまったな・・・」 小さなお寺 漁港から少し山の方へ行った所に小さなお寺があった。 いつの頃からかなぁ、夕方近くになるとそのお寺に行くのが俺の日課になってたんだ。 そのお寺の前

          「フーテンのトラさん」04(小さなお寺)

          「動物のお医者さん」03(○○学の試験)

          「動物のお医者さん」 大学時代にこのマンガに出会い、マンガの連載中に獣医学部の学生だったこともあり、親近感を感じていました。 当時の獣医学部の大学生活についても織り交ぜながら、「動物のお医者さん」の思い出を振り返ってみたいと思います。 ちなみに、題名に「○○学」と付けたのは、一覧で表示される題名に「解剖」という、おどろおどろしい単語を書きたくなかっただけで深い意味はありません・・・ 前回はこちら 学生たちには頭が痛い季節がやってきました。 そうです、魔の「試験週間」

          「動物のお医者さん」03(○○学の試験)

          「動物病院四方山話」22(「すみませーん」)

          私の名前は「みぃ」 動物病院で暮らしている猫 私が経験した動物病院での四方山話を紹介しています 前回の動物病院四方山話はこちら 私が動物病院に来てから半年たった頃かな? その日はすごく忙しかったの。 夜の診察が終わったのが9時過ぎ。 そこから後片づけや、入院している子達の治療なんかをするの。 そんなこんなで、やっと一息ついたのが10時頃。 獣医さん3人と看護師さん2人が処置室で帰り支度を始めていたわ。 そこへ、副院長先生が入ってこられたの。 「今日は遅くまでご苦

          「動物病院四方山話」22(「すみませーん」)

          「フーテンのトラさん」03(モミジの子)

          「みぃ物語」(みぃ出産編)で登場した『トラさん』の物語 前回はこちら 「トラさん、あれから気になって気になって眠れなかったわ。」 「ウソつけ!」 「お前、ぐっすり眠ってたじゃねぇか。」 「へへっ、バレてた?」 「まあいいや、分かったから話してやるよ。」 モミジの子 港にはみんなから一目置かれている『タキさん』っていう長老の猫がいたんだけどよ、 本名はえらい難しい漢字で『瀧三』っていうらしいんだ。 俺たちは漢字なんか分かんねぇから『タキさん』って呼んでたんだ。

          「フーテンのトラさん」03(モミジの子)

          「フーテンのトラさん」02(漁師さんとの出会い)

          「みぃ物語」(みぃ出産編)で登場した『トラさん』の物語 前回はこちら 「ねぇ、トラさん。」 「神社を出てからいろんなところを放浪してたんでしょ?」 「その時の話を聞かせてよ。」 「タマよ。」 「なんで俺の話なんか聞きたがるんだ?」 「だって、私は生まれてすぐにこのうちに来たから、外のことは知らないのよ。」 「だから色々知りたいの!」 「分かったよ。」 「だけどよ、お前が思ってる程面白くないかもしれないぜ。」 漁師さんとの出会い 神社の境内を後にしてからのトラさん

          「フーテンのトラさん」02(漁師さんとの出会い)

          「動物病院四方山話」21(犬アレルギーが!?)

          私の名前は「みぃ」 動物病院で暮らしている猫 私が経験した動物病院での四方山話を紹介しています この話は里塚が体験した話ですが、アレルギーをお持ちの全ての方に当てはまるものではありません。 ご注意ください。 前回の動物病院四方山話はこちら 夕方からの診察時間中 病院の電話が鳴った。 一平ちゃんの友達からだった。 「今、そっちに向かってるから。」 以前、その友達ファミリーの一員に『ぽち』という女の子のワンちゃんがいたが、今は動物達はいないはずなのに・・・。 「えっ

          「動物病院四方山話」21(犬アレルギーが!?)

          「動物のお医者さん」02(骨標本作成)

          「動物のお医者さん」 大学時代にこのマンガに出会い、マンガの連載中に獣医学部の学生だったこともあり、親近感を感じていました。 当時の獣医学部の大学生活についても織り交ぜながら、「動物のお医者さん」の思い出を振り返ってみたいと思います。 前回はこちら 約半年後 天気のいい週末 私たちの学年は解剖学教室から招集を受けたのでした。 そうです、地中に埋められたウシさんの標本を掘り起こす日が来たのです。 みんな汚れても良い服を着て集合! ほとんどの学生は、おそろいで作った

          「動物のお医者さん」02(骨標本作成)

          「動物のお医者さん」01(○○学実習)

          「動物のお医者さん」 大学時代にこのマンガに出会い、マンガの連載中に獣医学部の学生だったこともあり、親近感を感じていました。 当時の獣医学部の大学生活についても織り交ぜながら、「動物のお医者さん」の思い出を振り返ってみたいと思います。 前回はこちら 動物のお医者さんの単行本1巻の冒頭で、ハムテルと二階堂が地下鉄の駅まで近道をするシーンがあります。 獣医学部の敷地内の中を通り抜ける道を・・・ その道の傍らにある解剖学教室の実習室で、夜な夜な「スプラッタな光景」が行われ

          「動物のお医者さん」01(○○学実習)

          「動物病院四方山話」20(猫アレルギーが!?)

          私の名前は「みぃ」 動物病院で暮らしている猫 私が経験した動物病院での四方山話を紹介しています 前回の動物病院四方山話はこちら この話は里塚が体験した話ですが、アレルギーをお持ちの全ての方に当てはまるものではありません。 ご注意ください。 まだ成猫になっていない、シャム柄の猫さんが段ボール箱に入れられて来院された。 「この子、交通事故にあったみたいで家の前にうずくまってたんです。」 背中には、その時出来たと思われる傷が痛々しかった。 レントゲン検査をすると背骨が折

          「動物病院四方山話」20(猫アレルギーが!?)

          「フーテンのトラさん」01(猫社会の掟)

          みぃ物語(みぃ出産編)で登場した『トラさん』 『フーテンのトラさん』シリーズ ・・・つづけてしまった ・・・いや、つづけていいのか? ・・・この先の話、何も考えていないじゃないか! ・・・まぁ、 ・・・いっか と、いう事で・・・ 見切り発車ですが、獣医の知識もちりばめたりできたらな~、なんて思ってます ・・・が、どうなることやら・・・ 前回はこちら トラさんはタマのしつこさに負けたようだ。 ある日、トラさんはタマと日向ぼっこをしながら話し始めたのでありました。

          「フーテンのトラさん」01(猫社会の掟)

          「フーテンのトラさん」(えっ??本当にシリーズ化??)

          みぃ物語(みぃ出産編)で登場した『トラさん』 私には妄想癖があるのかもしれない・・・ 変なシチュエーションが頭に浮かんでしまった。 しかーし、詳細や今後の展開は全く思いついていない。 にもかかわらず、noteで記事にしてしまった・・・ 前回のお話しはこちら タマはトラさんに興味津々 トラさんって、うちに来る前はどんな生活をしていたのかしら? トラさんだけに、 わたくし 生まれも育ちも葛飾柴又です 帝釈天で産湯を使い 姓は車 名は寅次郎 人呼んでフーテンの寅と発し

          「フーテンのトラさん」(えっ??本当にシリーズ化??)

          「フーテンのトラさん」(シリーズ化!?)

          みぃ物語(みぃ出産編)で登場した『トラさん』 そのモデルとなったトラさんは突然いとこの家に上がり込んできた。 そんなトラさんはいとこの家に来るまでどんな生活をしていたのだろうか? そんなことを考えていると、またまた妄想が・・・。 ある日、リビングの椅子の上に見慣れない黄色いモフモフした物体を発見。 「なんだ?」 近づいてよく見てみると、丸まって寝ている猫ではないか。 知らない猫が我が家に入り込んで寝ている。 どこからやってきたのだろう? ちょっと待てよ。 我が

          「フーテンのトラさん」(シリーズ化!?)