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【家族のこと】マイ・スウィート・ハニーは本当にスウィートでハニーなのかの検証

私には子供がいる。しかも2人。DNA検査など必要ない程に私に似た子供達だ。遠い未来この顔になるのかと考えると、私はいくら謝罪しても許されないだろう。生まれながらにブサイクという名の十字架を背負わされた子供達だ。それでも、親としては可愛く見えて仕方ない。

子供がいるとなると、勿論そこには母親がいる。私が知る限りでは、人類は雄と雌が居ないと新しい生命をつくれない。正確には精子と卵子なのだが、私は医学に乏しい。詳しくは書けない。ともあれ、我が子にも例外なく母親がいる。

ありがたいことに、私はこの子らの母親と共に生活している。それが今回の主役、マイスウィートハニーだ。
可愛くて怖くて、天使と悪魔の混合種。私を怒るその表情は鬼か悪魔か、その類だ。かと思えば、天使のような笑顔を見せたりもする。掴みどころのない、いや、最近は腹部に掴めそうな脂肪を蓄えつつある女性が今回の主役だ。

マイスウィートハニー、直訳すると「私の甘い蜂蜜」だ。もちろん私は蜂蜜と恋に落ちた訳では無いので、直訳はオススメしない。簡単に言えば「私の愛しい人」だ。

私の愛しい人。
その意味でいけば、確かに嫁さんは、私にとってスウィートハニーだ。愛しいのは間違いない。スウィートハニーだ・・・本当にスウィートなのか?甘いのか?ハニーは蜂蜜・・・甘いのか?

私の嫁さんは、甘いのか?

彼女は言います。「あなたの思い付きは、いつもろくなことにならない。だいたい面倒になる。」
確かにそうだ。いつもは何事にも慎重派の私だが、変な思い付きにはとんでもない速度で行動に移る。今回もそのようだ。私はとんでもない速度で行動に移る。

嫁さんが甘いのか確かめるには、舐めるしかない。例えば嫁さんを絞って出てきた体液を、糖度計測器にかけるのも良いだろう。ところが我が家には糖度測定器がない。絞るのも大変そうだ。私の握力は人並なのだ。
となれば、舐めて確かめるしかない。


「ちょっと舐めさせてくれんだろうか?」

嫁さんは、まるで汚いものを見るかのようだった。
黙って舐めるのもアリだろう。だが、親しき仲にも礼儀ありだ。ちゃんとお願いしたのだが、表情を見て失敗を確信している。


「アナタを舐めるわけにはいかないだろうか?この通りだ。」

土下座である。日本における謝罪と嘆願の最高峰、土下座である。

・・・子供達が居なくて良かった。父親の土下座も、彼女の表情も、子供達には見せれそうにない。


黙って舐めるしかない。
そう決心するまで時間はかかりませんでした。思い付きには最速で行動する男だ。だが、焦りは禁物。決行は今夜だ。

深夜一時。家族は寝静まっている。私はまだ起きている。睡魔に負けるわけにはいかない。
絶対に負けられない戦いがここにはある。

嫁を舐める。
いっけん卑猥に聞こえるこの行為は、いや、聞こえる通り卑猥だ。だが、私は確かめないといけない。マイスウィートハニーは本当にスウィートでハニーなのか。

確かめないといけないのだ。


彼女と目が合ったのは、私の舌が彼女に触れる少し前だった。
一瞬の沈黙、流れる静寂。ラブストーリーやラブソングでよく見る静寂ではない事くらい、私にもわかる。次の行動で私の生死が決まる。慎重に、それでいて正確な答えが必要だ。
私は、出来る限り優しくスウィートは声で彼女に言う。

「舐めるわけには・・・いかないだろうか?」


私は眠りにつく。口角から滲む血の味を感じながら。


ここまで読んでいただきありがとうございます。
ナニコレ・・・

それでは、佐世保の隅っこからウバでした。

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