ドイツ一人旅_ヨーロッパの景色_01_03【海外旅行】
1999年冬 1日目 フランクフルト
いつまでもいつまでも続いたツンドラ地帯を抜け、所々に街が見えてきた。
「席替わる?」
僕が通路側からKさん越しに窓の外を見ていたのが気になったようだ。ここは遠慮せずに席を替わってもらうことにした。
教会を中心とした小さな街が点々とあり、街と街を道路がつないでいた。東京とは異なる景色だ。ヨーロッパの景色を食い入るように見ていたら、Kさんから肩を軽く叩かれた。
「何かあったら、ここに連絡するのよ」
手渡されたメモには電話番号と住所が書いてあった。たまたま隣に席に座った見ず知らずの他人にここまで優しくしてくれるとは。思わず涙が出そうになった。
飛行機は無事フランクフルト国際空港に着陸した。空港自体は成田とあまり変わらず、まだドイツに来た実感がそんなにわかない。
入国手続きを済ませ、到着ゲートを過ぎるとKさんの旦那さんが迎えに来ていた。Kさんにお礼と別れを告げると、Kさんは旦那さんに歩み寄りキスを交わすと腕を絡めて行ってしまった。
さて空港にはGさんが迎えに来てくれることになっていたが、どこにも見当たらない…
次の話 (表示されない場合は次回更新までお待ちください)
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