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オカマのしんちゃん


武家社会の男色は、それまでの公家の美少年趣味とは異なり、女人禁制の戦場で武将に仕える「お小姓」として連れて行った部下に手を出した事が始まりだったとされる。

戦地では女性がいないため、その代わりに美少年の小姓を性欲発散の相手とする者がいた。

そして、男色は武士のたしなみと言われた時代である。

やがて、明治維新となり、武家社会が終わると、堂々とした同性愛は影を潜め、同性愛は異端視された。


昭和の時代を迎えても、それは変わらなかった。

そんな同性愛者があつまる場所として、新宿歌舞伎町にオカマバーが誕生した。

昭和40年代、しんちゃんはオカマバーのママ?さんとして店を開いた。
パトロンの社長が資金をポンと出してくれたのである。
そう、しんちゃんは社長の愛人だったのである。

しんちゃんは美男子で女性にモテそうなものであるが、しんちゃんは全く興味を示さず旦那樣オンリーである。

しんちゃんは話術が上手く男客を飽きさせない。
客はゲラゲラ笑って楽しんだ。
酒やツマミも進むので、店は繁盛した。


ある日、その店に、いかつい顔つきをした客がやって来た。
歳の頃なら25歳、名前を
勇太と名乗ったが本名とは限らない。

勇太は最初のうちはダンマリを決め込んでいたが、そのうち、しんちゃんとしゃべりだし、いかつい顔つきがほころんだ。

「なんかいい感じ。」
しんちゃんはそう思った。

勇太もその店が気に入り、月に4〜5回通うようになった。

お互い
「なんかいい感じ。」

しかし、しんちゃんには旦那がいる。
浮気は禁物である。
第一、浮気なんかして、万が一バレたら、お店をとりあげられてしまうかも知れない。


店がハネる前に、勇太はしんちゃんを誘った。

「今夜、ラブホに行かない?」

しんちゃんは思い切って、一緒にタクシーに乗った。

シャワーを浴びた後、ベッドに入った勇太を見ると

「デカイ!、今まで見たことが無いほどデカイ!」

しんちゃんが四つん這いになると、勇太はその硬くて大きな棒を、しんちゃんに優しく挿し込んだ。

「旦那とはまるっきり違う!」

しんちゃんは、今まで味わった事の無い快楽に、大声を上げて喘いだ。

勇太が行くと、しんちゃんはそれをしっかり受け止めて、
しんちゃんの身体は痙攣した。


しんちゃんは、旦那に悪いと思ったのか、しんちゃんと勇太の一度限りの体験であった。




           完


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