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やせたガールの日常:「とっくり砂丘」


山根あきら。さんの企画
「やせたガールの日常」に
参加させていただきます。




パジェロでとっくり砂丘に一家で旅行した時のこと
末娘の10歳の亜里沙は、ひろい砂漠の中ではぐれてしまった。

幸い、背中に背負ったリュックの中には、ぽかりすえっとが満載されていたので、飲料水にはことかかなかったが、
食料は何も無い。

もともとやせたガールだったので、食料不足は厳しい。

数日間、砂漠の中をさまよい続けたが
オアシスには到着できない。

そして、やせたガールの日常は、ガリガリガールの日常へと変化した。

体力は低下する、真昼の太陽は情け容赦なく照りつける、
夜は夜とて、極寒が亜里沙の身体を傷めつける。

パジェロが到着したときは、
すでに亜里沙は息絶えていた。

亜里沙は8歳にして、死したるのちは日本海に水葬にしてほしいと遺言していた。

それにしたがい、亜里沙は日本海に水葬された。

やせたガールの日常は、亜里沙の身体を食べた、ふとった魚の日常へと変わっていった。




        おしまい


山根あきら。さん
宜しくお願い致します。🙏

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