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小説:ペクトラジなど

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記事一覧

柚子野亜里沙物語6「やっぱりロリコンかしら」

わたくし、柚子野亜里沙よ。 31歳の女盛りよ。 散歩社長は41歳の男盛りなの。 でもね、…

柚子野亜里沙物語5「大変だわ」

わたくし、関東観光大使の 柚子野亜里沙よ。 散歩社長は、40歳の男盛り、亜里沙は三十路の…

柚子野亜里沙物語4「三十路よ」

わたくしこと、柚子野亜里沙は三十路になったの。 散歩社長は40歳の男盛りよ。 最近、亜里…

柚子野亜里沙物語3「なんてことなの」

わたくし、関東観光大使 柚子野亜里沙なの。 それでね、25歳になったの。   35歳の散歩…

柚子野亜里沙物語2「人気キャスター」

わたくしの名前は 柚子野亜里沙ですわ。 23歳になったの。 行く先々の観光地で凄い人気な…

柚子野亜里沙物語1「キャスターへの道」

あたいの名前は 柚子野亜里沙。 20歳になったの。 入間郡毛呂山町に日本最古の柚子の産地…

貧乏草

あたいの名前は、柚子野亜里沙。 散歩の妾なの。 散歩は年収1億のリッチな年金生活者だけど、とてもケチなの。 妾の手当は、200坪の家庭菜園。 そこで野菜を育てて自活しろ なんて、ケチもいいところよ。 それだけだったらまだ許せるけど、あたいの畑に、貧乏草を植えちゃうのよ。 まったくトサカに血がのぼっちゃうわ。 何でも散歩は、ハルジオンだかヒメジョオンだかしらないけど、大好きなので、家庭菜園まで植えちゃうのよ。 なによこれ、貧乏草じゃない。 あたいのカカ様が言ってたわ

避暑地の恋

高度成長期、一大別荘ブームに湧きたった時期である。 大金持ちは、株に走り、不動産は特に別…

オカマのしんちゃん

武家社会の男色は、それまでの公家の美少年趣味とは異なり、女人禁制の戦場で武将に仕える「お…

隣の土田さん

昭和40年代の初期 東京都板橋区に、大山建設が施工した、小さな住宅街があった。 2階建て3…

赤羽線の痴女

現在は埼京線に組み込まれているが、 昭和40年代 赤羽駅〜池袋駅を結ぶ、全長 5.5kmと極…

ネコのミーコとイタチのタッちゃん

ミーコ「ねえ、タッちゃん、まだ、たつの?」 タッちゃん「勿論だよ、試してみる?」 ミーコ…

ネコのユリとタチの麗子

レズビアンの用語で 「ネコ」は受けで女役を示す。 「プッシーキャット」に由来するが 「猫車…

弓子物語⑨夫の死から終章

夫の真一は、82歳から大腸がんに侵されていた。 真一は高度医療を拒んでいたため、放射線療法と鎮痛剤投与でしのいでいた。 老人の癌は進行が遅いものであるが、真一の場合は意外と進行が速く、直腸まで転移していた。 弓子は、書道塾から身を引いて、必死に夫の看病に当たっていた。 その介護も虚しく、2058年、夫の真一死去。 行年84歳。弓子は79歳であった。 真一も鎌倉の共同墓園に納められた。 たった一人で豪邸に残された弓子は、自宅を手放し、東京都あきる野市にある老人ホームに入居