三毛猫の柄

先日、久しぶりに「動物のお医者さん」を読んでいて、気がついた。
主人公の祖母が飼っているミケと、うちの近所のミケちゃんは、同じ柄だ。

三毛猫なんだから同じで当たり前だろうと思われるかもしれないけれど、三毛猫でも結構三毛具合はバラバラだ。
子どものころ近所にいた三毛猫は、白地に太い筆でぽてんぽてんと絵の具を落としたように、黒と茶の模様があった。
対して「動物のお医者さん」と、うちのミケは、お腹側が真っ白で、背中側は黒と茶の二色、顔はハチワレで、耳が片方ずつ黒と茶、目鼻口のところだけ、きれいに白い。

うちの近所のミケちゃんのことを、勝手にミケちゃんと呼んでいたのだけれど、この間、飼い主さんもミケちゃんと呼んでいたので、本名のようだ。
白猫をシロ、黒猫をクロと名付けている人はあまり知らないけれど(知り合いが飼っていた黒猫は「ネロ」。どんな性格かは、推して知るべし)、三毛猫をミケと名付けている人は、わりと多い気がする。

なにしろ「ミケ」という響きが可愛い。「我輩は猫である」の猫が好意を持っていた美貌の猫の名も、三毛子である。

うちの近所のミケちゃんは、あでやかな美女だ。寝そべっているところを上から見ると黒と茶のニ毛で、ほとんど虎に見える。
ちょこんと座っていると、お腹の白が背中の模様を引き立てて、豪奢な打掛を着ているみたい。

ミケちゃんは昔、いつも高いところにいた。
ぶらんと下がったしっぽの先をつつくと、くるんと巻き上げてしまう。
まさに、高嶺の猫である。

最近は年を取ったせいか、高いところに上がらなくなった。
いつも車の下でじっとしていて、たまに外階段を数段上るだけだ。

ちょっと寂しい気もする。
でも、ミケちゃんが下にいるおかげで、撫でられる機会が格段に増えた。

猫を撫でると、幸せだ。
猫が好きすぎて、いつもの500文字ルールを忘れ、今日は大幅オーバーだ。
溢れだす猫愛。

早く帰って、ミケちゃんに会いたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?