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時折最高:031 Gunjogacrayon - T March (1980) 坂本龍一(Mix)

この曲をメインに、Gunjogacrayon(グンジョーガクレヨン)の5曲入りミニアルバムをず~~~っと繰り返し聞いていた時期がありました(笑)。擦り切れるかも・・・、と思って予備にもう一枚買いました。ずっと経ってからCDになった時も買いました。

そういう思い出とセットになった音楽って、「思い入れ補正」が入ってしまうのですが、まあ今冷静に聞き返しても、このアルバムは良く出来ていたと思います。ダブに入れ込んでいた坂本龍一がミックスを手がけていて、録音物としては本当に良く出来ていると思います。

特に様々な表情を見せるギターのサウンドに圧倒されました。リズムがしっかりしていて、かつノイズ指向で、アヴァンギャルドだけど曲としても分かりやすい。だから愛聴盤になってのでしたが、おそらくバンドメンバーにとっては本意ではなかったのかも知れません。その後この1stの様な音楽をやることはなかったのですから・・・。

当時のことに話を戻すと、そんな感じでグンジョーガクレヨンすげぇ!、となって次に出た音源を聴いてみると・・・

これは7インチ2枚組で出たライブ盤で、グンジョーと突然ダンボールを収録したものでした。
うん?、微妙に違う感じ?
スタジオとライブの違いかな?

しばらく経って、1986年に待望のセカンドアルバムが出ました。

んんんん???
なんかもう1stの頃とは全然違う!
そうです。彼らは完全に即興演奏主体のバンドに変貌を遂げていたのです。
リリース当時、私には難解で楽しめませんでした。

1994年に3rdアルバムが出ました。

2ndよりノイズ指向が強め?
最初のトラックからして22分あったりと、曲というよりは音響的な即興演奏だと思います。

バンドは現在に至るまで、結成40年を越えて活動中です。

Gunjogacrayon オフィシャルサイト

手がけたプロデューサーやエンジニアなどとの組み合わせによって、良い感じに出来上がった作品が、必ずしもアーティスト本人の意向に沿うか、となると異なることもあるのでしょうね・・・。

同じような思いをしたのはJames White率いるContortionsでしょうか。

1978年に出た「No New York」という4バンドを収録したオムニバスアルバム。このアルバムのプロディースはブライアン・イーノでした。同じ時期にDevoのプロデュースもしていました。Ambient 1 (Music For Airport)発表の前年でした。

そして翌1979年にリリースされた、コントーションズのフルアルバム!
超期待して聴きました。

うん・・・、なんか同じだけど違う・・・。

イーノとか坂本龍一とか、個性の際だったスタッフが制作に関わると、出来上がった作品は素晴らしくとも、それがアーティストの実像とは離れてしまうことがあるのかも知れません。

ただ、仮に実像とは異なる作品であっても、独立した音源として聴く時には、やっぱり傑作、いい出来だなあと思ってしまうのです。

毎日聴く音楽ではないかも知れませんが、気分に嵌まった時には大いなる感動を覚えます。

まさに「時折最高!」なのです。

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