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ガイド価格の設定は慎重に。個人集客に、安売りのメリットなし!

個人で集客をしてガイド業務を行う場合、価格を自分で設定しなくてはいけません。これをどのような考え方で、いくらに設定するかは、とても重要です。
 
まずは、ウェブ等で、各社がガイド価格をいくらに設定しているかを調べてみましょう。客観的な基準を持つことは、大切なことです。ただ、その価格をそのまま自分のサービス価格にするのはやめましょう。
 
価格設定にあたっては、自分自身の作業負荷やサービス内容など、いろいろと考慮すべき要素があります。せっかく高い値段で販売できるサービスを、安売りしてしまってはもったいないです。ここでは、そうした考え方について、お話したいと思います。


まずは調査から。ガイド団体が公表している価格をチェック

 
自分が提供するサービスの価格を、自分で決められるというのは、素晴らしいことです。ただ、初めての場合、一体どのくらいの価格に設定するのが適切なのか、わからないということもあると思います。
 
こうした時には、何らかの基準が欲しいですね。それに適切なのが、様々なガイド団体が、ウェブサイトで公表している価格です。たとえば、以下の値段を見つけることができました(2024年5月現在)
 
JGA(日本観光通訳協会)
一日(8時間) 30,000~50,000円 (税金記載なし)
JFG(全日本通訳案内士連盟)
一日(8時間) 36,000~42,000円(税別)
 
ガイドの経験やお客さんの人数、また業務の専門性によって、価格には幅がありますが、一つの目安と考えて良いでしょう。それでは、自分のサービス価格もこれと同等に設定すれば良いのでしょうか?

その値段には何が含まれているか?を考える

 
ここでよく考えてみましょう。その報酬に対して、あなたがやらねばならない業務内容は、何ですか?
 
ガイド団体が提示している価格は、旅行会社向けのものです。ガイドを必要としている旅行会社がガイド団体に問合せ、ガイドを紹介してもらう、という時の価格です。つまり、発注主は旅行会社です。
 
この場合、お客さんとの決済や、交渉ごとは、全て旅行会社がやってくれるはずです。あなたの仕事は、ガイド当日にお客さんと会って、案内をする(必要があれば経費精算もする)だけでしょう。
 
そうすれば、上記金額が報酬としてあなたに支払われます(ガイド団体の紹介料は考慮していません)。これを一言で言うと、卸売価格です。当然ですが、旅行会社は自分の利益を上乗せして、ガイド料金を顧客に提示しているはずです。これが小売価格です。団体などの場合は、人数頭割りになるので、実際の数字が見えにくいですが。
 
一方、個人集客の場合は、ただガイドをすればOKという訳ではありません。宣伝をしたり、お客さんと交渉したり、海外との決済に費用がかかったりします。こうした費用を賄う必要があるのですから、同じ価格では見合いません。お客さんへの提示価格は、旅行会社向けよりも、上げる必要があります。

安売りする人には、最後までわからないこと

 
どのくらい上げれば良いかは、一概には言えません。感覚的には、様々なコストをカバーする費用として、20-30%は高く設定したいところです。実際、ガイドのマッチングサイトでは30%程度の手数料をとるようです。これには集客や決済の費用が含まれていますから、20-30%というのは、妥当な線ではないでしょうか。
 
値段を高く設定すると、お客から敬遠されるのではないかと心配し、安い価格を設定してしまいがちですが、これは間違っています。ToursByLocalsやGoWithGuideのように、多くのガイドが同じサイトに並んでいる場合は、他のガイドとの値段の比較になってしまいます。プラットホーム内での競合が、(ガイドにとっては)マッチングサイトの最大の欠点だと思います。
 
けれども、自分のサイトで集客している場合は、このようなことはありません。重要なことは、あなたがお客さんの信頼を得られるかどうかの一点にかかっています。個人客というのは、企業の購買とは違います。自分の感情や好き嫌いで判断をする場合が多いので、値段が安いことは、必ずしもメリットにはなりません。むしろ、サービス内容に対する疑念を生じさせることさえあるのです。
 
私の体験からも、ある程度高めの価格帯にしておいたほうが、良いお客さんが集まってくると感じます。もちろん、価格に見合ったサービスを提供しなければいけないのですが、普通に経験ある通訳案内士の方であれば、安売りにメリットはありません。安いサービスを求めるお客さんには、ガイドマッチングサイトで探してもらいましょう。
 
安売りに慣れてしまうと、こういうことがわからなくなります。値段を高めに設定しているサービスのほうが、実は良質なお客さんを獲得していることが多いのです。そういうお客さんは、ガイドをしていても大変心地よいです。ぜひプライドを持って、ご自身の適切な価格設定をされてください。

まとめ

 
「個人集客なら、高めの価格設定は当たり前。サービスの質を上げて、良質なお客さんをターゲットにビジネスを展開しよう。」でした。
 
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