見出し画像

読書・池谷祐二『パパは脳研究者』

今月から産休に入り、時間を持てあます毎日・・社会人になって、こんなにやることがない期間がなかったので、不安になるなあ。英語や復帰後、転職に備えて使える資格の勉強をしたいのだが、そういう気力がある訳でもない笑。育児書でも読もうかなと、最近図書館に通い始めた。

まず一冊目に借りた本。とっても面白かったのが、池谷祐二『パパは脳研究者』。筆者の長女が生まれた時から1カ月事にどういう成長が見られたかを、脳科学の視点から記録した本。難しい話や研究もかなりかみ砕いて書かれており、大変分かりやすい。特に印象的だったのは、オキシトシンの作用。オキシトシンは子宮を収縮させるホルモンで、出産の時に大量に放出され、脳にも作用するらしい。このオキシトシンは相手を絶対的に信じ、愛情を注ぐためのホルモンだとか。このへんまでは割と知られていることかもしれないけれど、このオキシトシンには他者に対して排他的になる作用もあるのだそうだ。仲の良い人とは信頼関係を結ぶが、そうでない人には攻撃的になるということで、線引きの外側に置かれると、後から内側に入るのが難しくなってしまうという。妊娠中からいたわってくれて、育児に積極的な夫は「内側」になるけど、そうでない夫は「外側」というふうに見なしてしまうということなのかしら。

また、初妊娠した女性の脳の変化を調べた調査では、妊娠した女性の大脳皮質の灰白質の体積は大規模に減少したそう。体積の減少が顕著だったのは、他人の「心」を読む皮質領域で、実際にこの減少量が多かった妊婦ほど、産後の赤ちゃんへの愛情が強かったそうだ。これは産後2年たっても続いていたそうで、妊娠と出産によって女性の体はものすごく変化するんだね。この現象の解釈はあまり詳しく書かれていなかったのだけれど、心を読む領域の体積が減少するって、他人への関心が薄くなるってことなのかな?出産直後は夫や他人のことなんかかまっていられなくなり、赤ちゃんのことだけに専念するようになるっていうのは、ホルモンの作用による影響が大きいということなのかな?これまで、「妊娠・出産で妻が変わった」という話を耳にするたびに、「妻が変わったのは、夫であるあなたが寄り添えていないからだろう。奥さんは自分の気持ちをくんでくれない夫にいらいらしてるんだろうな」くらいに思っていたけど、ホルモンの影響が大きく、男性たちの言い分にも一理あったということなのだろうか。

あと、忘れないようにしておこうと思ったのは読んだり聞いたりする「入力」よりも書いたりしゃべったりする「出力」が脳の成長に重要だということ。私は大人になった今でも出力が苦手だと感じることが多い。自分の感情や出来事を相手にうまく説明することに苦手意識がある。小さい時から訓練すれば違うのかなあ。子どもが生まれてきたら、いっぱい「出力」できるように、たくさんお話して触れあって向き合いたいな。これって英語の勉強と似てるかも。中学から大学まで入力ばっかしてきたけど出力する訓練ってそれに比べて全然してこなかった。だから今ほとんどしゃべられないんだろうな・・出力ってパワーがいることだもんね。筆者の奥さんが3歳から日記を書かせているみたいで、この出力の方法はすごく脳にも良さそうと思う反面、でも私のような口べたな人間が子ども相手に続けるのは大変そうでちょっと尻込みしてしまうなあ。まあ、あまり気負わず子どもの力をめいっぱい伸ばしてあげられる親になりたい。
なんて、上記思ったことを母に読んだ本の感想とともにつらつらしゃべっていたら、「というか、自分が楽しむのが一番。お母さん楽しかった記憶しか残ってない」と言われ、これもまた目からうろこ。自分が楽しくなかったら子どもも楽しいわけないもんね。

にしても、私の住んでいる家や通い始めた図書館(高校時代も毎日通っていた)から山が見える。五月の新緑と青い空のコントラストがとてもきれいで、山に登りたい欲がむくむくと燃え上がってくるのだが・・次に登山行けるのはいつになるのかなあ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?