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初代ゴジラ

映画『ゴジラ』
日本が敗戦し、9年後に制作された本作。
現在、『シンゴジラ』『ゴジラマイナスワン』ハリウッド版『ゴジラ』とリメイク作品が作られているが、本作には勝てない。
本作は限りなく正直で直球だからだ。
海底地下深くにジュラ紀の頃から生き残っていた恐竜、度重なる水爆実験により、居場所を奪われ、放射能により被爆し肥大化した怪獣ゴジラは怒り狂い地上に降り立ち現代文明を破壊していく。
戦争により片目を失い、婚約まで破棄されてしまった悲しき科学者、芹沢博士。ある研究により偶然生み出されてしまった水爆より遥かに破壊力のある兵器「オキシジェン・デストロイヤ」に博士は恐怖し隠遁生活をする。
ゴジラを殺すにはオキシジェン・デストロイヤを使用するしかない。しかしこの兵器を公表すれば、人類の争いの火種に成りうる。激しく葛藤した芹沢博士はある決断をする。

本作の素晴らしい点は、ゴジラという怪物を作ったのは水爆実験による人間のせいである。
ゴジラが怒り狂っているのは、戦前の犠牲者を忘れ、豊かになる日本人、ひいては人類に怒り狂っている。我々は屍の上にいることを忘れてはいかんのだ。ゴジラは犠牲者の亡霊とも言える。
犠牲と繁栄、ここら辺は岡本太郎の対極主義にも通じる。
「いずれ、第2、第3のゴジラは現れる」
まさにだ。
つつみ隠さない。ありのままをぶつけてくる本作に勝てるわけがない。
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