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水木しげるに学ぶ、生きる力と見えない世界
はじめに、昭和の闇と現代の共通点
「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」は、戦争という不条理な現実を生き抜いた水木を主人公に、戦中・戦後から続く昭和の闇の世界を構造的に描いていた。ここで描かれる水木は、現実の水木しげるではなく、会社の中で使い捨ての駒として扱われている水木。
戦後を野心的な会社員としての水木が、目玉親父と幽霊族、戦争中、虫けらのように死んでいった戦友の怒りと怨念を抱えながらも未来に希望
心の病の可視化「今日もあなたに太陽を」
6月の梅雨の時期に決まって思い出す事がある。父のうつ病の事だ。
昭和の終わり、1988年の6月の事だった。42年も働いていたダムからの帰り、道に迷い、なかなか帰って来なかった。
父は「2,3日前、交通事故のあった現場を通り過ぎると急にわけがわからなくなった。気が付いたら、全く知らない森の中を走っていた。それから汗びっしょりになって死に物狂いで帰ってきた」
父が会社に出勤した最後の日の出来事。
「フィルムなつかしい」と言う学生達と繋がり表現の豊かさを持つ事
1.16ミリフィルム映画を「なつかしい」と言う学生たち
学生映画のある場面の撮影に使うために、16ミリフィルムの映写機を久しぶりに回した。映写機にかけたのは、20年以上昔の、10分ほどの学校を舞台にした短編映画だった。
デジタルネイティブで、4Kのクリアな映像にこだわるZ世代の彼らが、なぜか映像を見て「なつかしい」と言い始めた。
教室の別の場所では、別の班が別の映画製作の話し合いをしてい