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コロナウイルスと脳化社会 ~書評:幸せな未来は「ゲーム」が創る~

2月26日現在。
ここに来て自粛ムードが日本全国を覆っている。
500人以上集まるイベントはそんなに多くないけれど、
身近でもちょっとした集まりやセミナーが次々に中止されている。

気のせいか、都内の公共交通機関もいつもより空いているように感じられる。不要な外出は控えるようにとの通達から、リモートワークに踏み切った会社もあることだろう。

そうなると、商売上がったりとなるのは飲食店や美容室など街中のサービス業である。風が吹けば桶屋が儲かる式に考えると、今回のコロナウイルスにより日本の景気は停滞すると考えられる。

ダーウィンの言葉を借りれば、生き残ることができるのは「変化できる者」ということになる。
この変化にどう対応すれば生き残ることができるのか、考えてみたい。

まず、多くの人が集まるイベントは中止となる。
コンサートはテレビ中継されて、自宅で臨場感を味わうことになる。
さしずめ、VRを使ってということになるだろう。
五感に訴えるために、視覚、聴覚、振動による皮膚感覚を介して刺激を伝えられる機能を持つVRが開発されるに違いない。

または、動画配信システムも格段の飛躍を遂げるに違いない。
単に動画と音声を送信するだけでなく、neo-zozoスーツなるものが開発されて、送られてくる映像を見ながら例えば灼熱の砂漠の暑さを体感できるとか、アルプス山脈に吹く風の爽やかさを肌で感じられる、といったことが起こりはしないか。

ヒトが移動しなくなることで、脳で感じられる情報だけが行き来する社会。
かつて養老孟司氏が唱えた社会がいよいよ現実のものとなる。

こんな本もある。  

著者のジェイン・マクゴニガルは「ゲームの定義」を次のように述べている。目的があり、ルールがあり、フィードバックがあり、内発的、自発的動機があるもの。そう、現実社会では簡単に手に入りづらいそれらのものは、ゲームの中ではほんの10分ほどで味わうことができる。

邦題は『幸せな未来は「ゲーム」が創る』とあるが、
原題は「Reality is Broken」
皮肉なものだ。直訳すれば、「現実は崩壊した」となる。

新型コロナウイルスの騒動は、この動きを加速することになりはしないか。

physical, mental, spiritual and social well-beingに生きるお手伝いをしています。2020.3に独立開業しました。家族を大切にし、一人ひとりが生き生きと人生を楽しめる社会が訪れるといいなと思いながら綴っています。