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パンドラの箱を開けてみたら

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ヒトは好奇心あるがゆえに、パンドラの箱を開けてしまいます。 このマガジンでは、筆者が見聞きし、または体験した事例を素材に世のタブーと言われることを採り上げ、その先の希望に光を当て… もっと読む
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記事一覧

親が介護施設にお世話になるとしたら、どんな選択肢があるかを考えてみた

親が介護施設にお世話になるとしたら、どんな選択肢があるかを考えてみた

訪問マッサージの仕事を続けてきて気がついたことがあります。
お年寄りが暮らす環境は、体にも心にも影響を与えているということ。

若い世代の人はまだ先のこと…と思いがちですが、自分の親や祖父母が暮らしている環境をいま一度、見直してみませんか。

最期の時間をどこで過ごしたいかこのような調査があります。
人生の最終段階における医療に関する意識調査(平成29年度・厚生労働省)

問12 どこで最期を迎え

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360°の私を生きる

「私は何者だろう…?」

この問いは、ずっと私の心のなかにあった。
それは最大の好奇心。

「私」
それは、他者と区別するための依りどころ

それを明確にすることで、
生きる力が生まれる

それを明確にすることで、
アクセルを踏み込み、私を前進させてきた。

◯◯になりたい
◯◯のために
そんな修飾をまといながら。

そして時に、
その拠りどころを否定してきた。

こんなはずじゃない
これは思い描

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微分積分はわからないけれど ~書評:孤独の価値~

微分積分はわからないけれど ~書評:孤独の価値~

高校生になると、数学が途端に難しくなる。
おそらくこのくらいの年齢には抽象的な概念を理解することができるであろう、という考えのもとに、教育カリキュラムが組まれているに違いない。

そこで登場するのが微分積分。
サイン、コサイン、タンジェントと呪文のように唱えてみても、さっぱりその意味は理解できなかった。そしてズルズルと数学が嫌いになっていく。

嫌いなことは聞いていても記憶に残るはずがない。高校生

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コロナウイルスと脳化社会 ~書評:幸せな未来は「ゲーム」が創る~

コロナウイルスと脳化社会 ~書評:幸せな未来は「ゲーム」が創る~

2月26日現在。
ここに来て自粛ムードが日本全国を覆っている。
500人以上集まるイベントはそんなに多くないけれど、
身近でもちょっとした集まりやセミナーが次々に中止されている。

気のせいか、都内の公共交通機関もいつもより空いているように感じられる。不要な外出は控えるようにとの通達から、リモートワークに踏み切った会社もあることだろう。

そうなると、商売上がったりとなるのは飲食店や美容室など街中

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自分は一体どこまで自分なのか 〜書評:誇大自己症候群〜

自分は一体どこまで自分なのか 〜書評:誇大自己症候群〜

今から数年前、この本を読んだときに衝撃を受けた。
それは「これって、自分のことが書いてある」というインパクト。
高校時代に中島敦の「山月記」を読んで以来のことだった。

高校時代は、いわゆる落ちこぼれ。
理系を志望していたのだが、肝心の数学、物理が
チンプンカンプンで到底、大学に入るのは難しい状況。
同じ中学から進んだ友達はスイスイと点数を積み上げるのをよそに、
僕は話せる友達も少なく、生きるとは

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アスミティ ~偽の自我~

アスミティ ~偽の自我~

甲府行きの車中にて、ヴェーダの講義を聞いています。

サンスクリット語で「アスミティ」

それはニセの自我。
私は、私が、という、
この肉体に関するものが自分だと理解すること。
しかし、それをニセの自我だと言うのです。

アスミティに囚われて
大きな存在の一部分であることを忘れているから、
私たちは苦しんでいるというのです。

小さい頃、親や先生によく言われました。
「◯◯くん、大きくなったら何に

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女はいつから母親になるか ~書評:夫は犬だと思えばいい~

女はいつから母親になるか ~書評:夫は犬だと思えばいい~

息子が塾に通い始めた。
都内にある某進学塾である。
知人から「そこはお受験目的だけではなく、勉強する習慣を身につけることができるよ」と聞いたことが大きかった。

さて塾に入ってみると、講師の方々は生徒一人一人の学習態度をよく理解しており、親は定期的に学習状況についてフィードバックを得ることができる。安心して通える塾に入ったものだと胸をなでおろした。

その塾では、定期的に父母向けの講演会がある。

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人生の縮小均衡を考える

人生の縮小均衡を考える

歴史を振り返れば、人類は文明も経済も右肩上がりに発展させて、これまでの時が流れてきた。
一時的にせよ、戦争やスペイン風邪などで活動が抑えられた時期もあったが、それでもまた立ち直り、今日に至っている。

今年に入ってからのコロナ騒動は、世界的な規模で起きた事象であり、第二波、第三波も侮れないことから、かつて経験した東日本大震災よりも見通しが立っていない状況がある。

身近なところでは、6月に外出自粛

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ヒトは誰と出逢うかで運命は変わる 〜勉強はどこまで必要か〜

ヒトは誰と出逢うかで運命は変わる 〜勉強はどこまで必要か〜

10年越しでクラスメイトに会った。
御茶ノ水で治療院をしている彼は、今は都内に2店舗を構えて10人ほどのスタッフを抱えている。

私よりひと回り以上も年下の彼は、専門学校に在籍している時は高校を出て間もなく、いわゆる遊びたい盛りだった。
もちろん、学校に来ても授業はろくに聞かず、テストもギリギリかまたは再試験を受けて何とか進級していた。

その頃、私はサラリーマンを辞めて専門学校に入ったクチで一応

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アフターコロナの覚悟

アフターコロナの覚悟

6月も1週間が過ぎ、世間は少しずつ動きを取り戻してきた。
緊急事態制限が発令される前に遡れば、2月末からの約3ヶ月間は自由に外に出掛けることができない状況下にあった。
そうしたなかで、認知症状を呈する高齢者の数が増えているというニュースを耳にした。そしてそれは、身近にも起きていた出来事だった。
そのことについて記そうと思う。

コロナ前、電車で1時間ほどのところに住む義理の父は、何かにつけて息子た

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教育と洗脳② ~U社の場合~

教育と洗脳② ~U社の場合~

社会人として初めて勤めたのはU社という企業である。
自前の健康保険組合もあり、全国展開しているものの株式は非公開。
いわゆる同族会社であった。

とはいえ、当時はバブルが崩壊して間もなく、就職できれば御の字。
U社が名の知れたメーカーであるというだけで、「安定した企業に就職できてよかったね」と遠い親戚にも言われたものだ。

その頃はインターネットの黎明期。
まだポケベルすらなく、SEって何する人?

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教育と洗脳 〜自己啓発セミナーの闇〜

教育と洗脳 〜自己啓発セミナーの闇〜

有名ブロガーのちりきん氏によれば、これから真剣に問題解決が必要になる分野は「教育」「高齢化社会」「メンタルヘルス」の3つとある。

なるほど、その通りと感じるとことは多くある。
何せこれからは人口が減っていく時代。30年後の2050年には、今よりも2,000万人が減少し、日本の人口は約1億人となる。これは、1970年とほぼ同じ数字である。

ただし、圧倒的に違うのは1970年の生産年齢人口が70%

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たまねぎの皮を剥く 〜生きるとは〜

たまねぎの皮を剥く 〜生きるとは〜

日本人の多くが好きなカレーライス。
カレーを作るのに欠かせないのは、じゃがいも、人参、そしてたまねぎ。もちろん豚肉やカレールーも必要です。

ちなみにカレーの中に三枚肉の塊が入るとか、時には鶏肉やツナ缶が入ると知ったのは、結婚してからのこと。
実家を出るまでは、豚バラスライスがカレーの主人公でした。

私が育った田舎は半農半漁の地方で、父はサラリーマンの傍ら、休みの日には畑仕事をしていました。私が

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サラリーマン思考からの脱却 〜独立するとは〜

サラリーマン思考からの脱却 〜独立するとは〜

かれこれ、サラリーマンなるものを続けて足掛け20年以上になる。
手持ちのアイテムは何もなく、「将来はこんな生活をしたい」という希望だけがあった若かりし頃と、今は状況が違う。
よくも悪くも世間の何たるかを知り、痛い目を見ながらも分相応のものを身につけてきた。

仕事上のスキル、人とのつながり、家族との日々。それらは今、私という一個人を満たしてくれている。
だがしかし、これまでのサラリーマン生活のなか

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