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私が出会ったトンデモ男衆50選~⒈スイートピー③~

キツネは翌週連絡をしてきた。それも私が那覇マラソンを走った日。覚えている、何とか制限時間以内にしたものの沖縄の風土の下調べを怠り最低なコンディションで走ったこと。疲労困憊の中、一緒に沖縄に来ていた母の目を盗みながらの電話。用件は一つ。「会って話がしたい」ということ。その上明日、成田空港まで迎えに来るとおったまげーな発言が飛び出した。半信半疑のまま翌日を迎えたが道中穏やかではない。本当に来るのか、リップサービスなのか真相はいかに。いた、いたよ成田に。スーツの男がね。私が理想とするブルーのストライプシャツにネクタイ、紺のジャケット、グレーのパンツ。ザ鉄板商社マンスタイル。本当に来るとは思わずニマニマしながら二子玉行きのバスに乗りついに彼の家に行く日がやって来た。11月30日。
どうやら付き合う前、どのくらい前かは知らないが同棲していたとのこと。それで荷物がまだ残った状態であったため家に入れなかった、という言い訳。ん-そんなに前のことではなかったっだろうなという今振り返っての分析結果。しかも社内だったらしい。またかよ、不倫も社内だしな。どんだけ会社好きなんよ。後先考えて行動せい。この時ねーきっぱり断っておけば良かった、引き返せたのに。本当に自分の行動を悔いる今日この頃。まあそんなことを言っても過去には帰れないもんで、キツネと結婚しなければ大事な姫たちにも会えなかったから過去の振り返りはこのエッセイだけで現実は前を見ようではないか。とまあ、そんなこんなでキツネはこの時から獲物を捕獲するために必死に本性を隠していたようである。性格は熱しやすく冷めやすい、更に目的達成のためなら平気で嘘をつく虚言壁人間だったことが後々分かるのである。全ての婚活女子に言いたい。最初に感じた違和感は敏感に、女の直感はほぼあたると。違和感に蓋をしてその場のときめきに目が眩んでしまった私のようになってはいけない。焦ることなかれ、冷静に判断せよ。そして、付き合うことになったことをパーティーに一緒に行った同僚に話したら開口一番に「ハンス王子じゃない!?」と。彼女の発言は正解。本当にその通り。そんな彼女は未だ独身。人生を謳歌していて羨ましい。とまあそんなこんなでこれ以上キツネの話をしても全く面白くないので、おかしな義両親と親戚の話をしつつ、離婚に至るまでの劇的ストーリーをダイジェストでご覧いただくことにしよう。

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