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「解釈」の練習をし続けてこれたのかもしれない・・・そう思えた日のこと

それは
私が喪主を務め、兄弟だけで父を送った日。

・・・・・

両親が別れてから、私たち兄弟は母を中心に仲良く支え合ってきた。
父とは一緒に住んでいる時からそれぞれがわだかまりを抱えていたし、皆が自立してからはどんどん疎遠になっていった。

一人暮らしの父が救急搬送された時に救急隊からの連絡を受けた私が一番遠くに住んでいたけれども、それからの2年余、父の晩年に関わってきた。

父との確執をずっと抱えてきた私にとって、病院や介護施設が変わる度に煩雑な諸手続きに追われることを、少なからず負担に感じていたのが正直な気持ち。


それでも
半年前に私の住む市内の病院に転院することを決めてからは「最期は私が見送る」という覚悟はできていたし、兄弟へはなるべく負担をかけないようにしたいと考えてきた。

病院から訃報が届いた瞬間から、限られた時間に幾つもの判断を迫られる初めての経験にもみくちゃにされながら、火葬の日程が決まった段階で兄弟へ会葬の呼びかけをした。

私はWordで手紙を書いてLINEに送り、返事を待った。

少しずつ返信が届き、兄弟全員が来てくれることになり、当日は2年半ぶりに皆が揃うことができた。

告別式、出棺、火葬という一連の流れの中で、父との別れを惜しむ涙は流れなかったけれど、長い間、心を通わすことがなかった子どもたちに見送られて旅立つことができた父は、安心して逝ったに違いないと信じている。

帰りに私の家で四方山話をしていると、弟たちが「姉ちゃんからあんな手紙をもらったら、来ないわけにはいかないよね」と。
そして、兄からは「よく、時間のない中であんな手紙を書けたよね。すごいよ!」。「親父のためというよりも、Aのために来たようなもんだよ」と言われ、思いが伝わったことに心から安堵した。

皆が帰ったあと、自分で書いたその手紙を改めて読み返してみると、そこには阿部広太郎さんの『それ、勝手な決めつけかもよ? だれかの正解にしばられない「解釈」の練習』から学んだテイストがちりばめられているような気がしてならなかった。

自分にとって「あの感情」と言えるくらいに記憶に強く残る過去の出来事。
解釈するときに、心がけていることがある。
それは、その件に関わる相手の立場に立ってみること。
同じ場にいた人は、どんな心境で、どんな風に受け止めたのか?
(第3章 過去篇・「今思えば」は魔法の言葉 より)
 未来は今だ。今の連続が間違いなく未来をつくる。
 どこへ向かうのか?その鍵を握るのは自分の心であり、自分の意志だ。厳しすぎず、甘やかしすぎない自分との約束の積み重ねが、より良い未来の自分をつくる。
 一人で完結させなくていい。未来を解釈してみよう、そして語ってみよう。
 そして、まわりを巻き込み、つながり、助け合っていこう。
(第4章 未来篇・解釈する先に人は進める より)

兄弟への感謝、それぞれのこれからのためにも「負の思い出」に引っ張られないよう過去を解釈し直す機会にしたいという気持ち等々・・・
祈るような思いで綴った手紙が「伝わった」。

その晩
疲れきった私がベッドに倒れこんだときは、オンライン講座Schoo(スクー)で阿部広太郎先生の授業が始まる寸前だった。


今月のテーマは
"「過去」を解釈して「意味」を更新する"

もう、「これは何がなんでも受講しなければ!」という必死の思いで声だけを聴きながら「阿部先生!『それ、勝手な決めつけかもよ?』を読んだ私は、この半年間「解釈」の練習をし続けてこれたのかもしれません」とお伝えしたい気持ちでいっぱいに・・・

そして
前作の『コピーライターじゃなくても知っておきたい 心をつかむ超言葉術』の一番最後にある言葉を体感できたような気がして、嬉しかった。

あなたの言葉であなたの心をつかもう。そして
あなたの言葉で大切な人の心をつかみにいこう。
(『心をつかむ超言葉術』あとがき より)

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📝今日のメモ

とにかく読んでみてほしいのです。
自分のこと(現在と過去と未来)を大切に思える一書です。
(わたしが投稿したAmazonレビューの言葉より)

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