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フォートナイト世界大会『2023 FNCSグローバルチャンピオンシップ』現地レポート&日本のeスポーツシーンについて思うこと

2023年10月13日~15日、デンマークの首都コペンハーゲンで、「フォートナイト」の世界大会『2023 FNCSグローバルチャンピオンシップ』が開催され、世界中のトッププレイヤーたちが卓越したスキルとテクニックを競い合いました。

今回の大会では、プロeスポーツ選手であり、木村情報技術の社員でもある「まいぽり」さんがアジア・日本代表選手に同行しました。現地ではこれまでの豊富な試合経験を活かし、選手のケアやコーチングなどのサポートに携わりました。

この記事では、まいぽりさん目線の現地レポートと、大会の舞台裏をお届けします。

【プロフィール】
・プレイヤー名:まいぽり
・所属先:木村情報技術株式会社
・日本トップクラスのe スポーツ選手
・FNCS シリーズでは、過去33 回の一桁実績を獲得。アジアのパワーランキングでは最高7 位にまで上ったことのある、アジアを代表するプロプレイヤーの一人
・2023年6 月 フォートナイト公式大会アジア1位 複数回獲得
・2022年 ステージ0(高校生全国大会)優勝
・2017~2023年 FNCS(フォートナイトの大規模公式大会)15回中14回決勝出場



大会概要

名 称:「2023 FNCS Global Championship」
日 程:2023年10月13日(金)~15日(日)
開催地:デンマーク・コペンハーゲン
賞 金:1位 1,000,000ドル、総額4,000,000ドル(約6億円)以上
※詳細はこちら

アジア代表としてALBAの契約選手7名が出場

木村情報技術と、eスポーツチーム「ALBA E-sports SAGA」を運営する株式会社ALBAは、世界で活躍できるeスポーツ選手の育成を目的とした、大会を含むプロジェクト「ALBA JAPAN SERIES CHAMPION SCRIM featuring fortnite(AJS)」を9月頭に発表しました。
ALBAの契約選手で、AJSにも参加している7名が、アジア代表選手として世界大会のキップを勝ち取りました。
AJS公式サイト
9月の記者会見の様子

メンバー一覧

YUMA(ゆま)
SHELOM(しぇろん)
ZAZI(ざじ)
BOBY(ぼびー) & LARKPEX(らーく) デュオ
STAIN(すていん) & DAYDUS(でいだす) デュオ
※敬称略


いざコペンハーゲンへ

こんにちは、まいぽりです。
私はコーチングとレポーターの役割で、選手やスタッフと一緒に、羽田からフィンランド経由でデンマークの首都コペンハーゲンに向かいました。
乗り継ぎを含め移動には17時間もかかり、長時間の座りっぱなしは少し辛かったです。

空港では待ち時間が結構あったのですが、選手のみんなはPR用の動画撮影やインタビュー対応をしたり、それぞれのSNSに投稿したり、ゲームをしたりとやることがたくさんあり、あっという間に時間が過ぎました。

後列左から:LARKPEX、ZAZI、YUMA、SHELOM、DAYDUS、STAIN、BOBY
前列左から:まいぽり、フォートナイト公認実況解説者のポルスさん

コペンハーゲンに到着した第一印象は、とにかく「街並みが美しい!」でした。

滞在中はひたすら練習と大会本番に集中していましたが、2~3時間ほど観光の時間も取れました。

まいぽり in コペンハーゲン

コペンハーゲンの気温は日本よりちょっと低いくらいで、思っていたほど寒くは感じませんでしたが、とにかく風が強く乾燥していました。選手たちは長時間の移動や時差からくる疲労もあって、体調管理が大変でした。
(いざというときのため、薬やケアグッズを用意してくれていたスタッフに感謝!)

会場の様子

今回の会場「ロイヤルアリーナ」は、昨年2022年に私が出場したアメリカの世界大会よりも規模が大きく、雰囲気もとても盛り上がっていました。

選手たちは毎日5~6時間ほど練習に取り組んでいました。会場には世界中のトッププレイヤーや大会関係者が集まっていて、選手たちは活発に交流したり、記念撮影を楽しんでいました。
特に私はレポーターの役割もあったので、ALBA所属以外のアジア代表選手や各国のトッププレイヤーたちと積極的にコミュニケーションをとるようにしました。この大会で、国際的なeスポーツコミュニティでのつながりがさらに強くなり、様々な情報や経験を共有することができました。

右は世界大会公認解説者のLeven2k氏
後列:SHELOM
前列:左からDAYDUS、STAIN
左:パートナーのAIM(えいむ)さん(DFM所属)/右:ZAZI

いよいよ開幕 3日間の熱い戦い

Day1(10/13)

オフライン大会は初めてという選手も多く、初日は緊張している一面も見られました。しかしいざ試合が始まると、みんなすぐにゾーンに入り、大きな舞台でイメージ通りのプレイができていました。

  • ALBA契約選手の結果
    BOBYぼびー & LARKPEXらーく 9位 → 決勝進出
    YUMAゆま(デュオ Ultimate Warriors所属:JAEMONじゃえもん選手) 38位 → Day2へ
    SHELOMしぇろん(デュオ NATURE所属:MKMKPAPAむきむきぱぱ選手) 39位 → Day2へ
    STAINすていん & DAYDUSでいだす 47位 → Day2へ

Day2(10/14)

この日は、Day1の経験もあって、みんなどう戦うか鮮明にイメージができていました。その一方で、この日に上位25位に入らないともう次はないので、Day2のほうが選手達からは緊張感を感じました。

  • ALBA契約選手の結果
    SHELOMしぇろん(デュオ NATURE所属:MKMKPAPAむきむきぱぱ選手) 22位 → 決勝進出
    STAINすていん & DAYDUSでいだす 25位 → 決勝進出
    YUMAゆま(デュオ Ultimate Warriors所属:JAEMONじゃえもん選手) 35位
    ZAZIざじ(デュオ DFM所属:AIMえいむ選手) 38位

Day3(10/15)

ついに決勝戦を迎えました。今日で全てが決まります。選手の緊張感はもう最高潮でした。
前半は苦戦を強いられる場面も見られ、一桁入賞を目指すのは厳しい状況でした。私はこの日も、試合と試合の間に設けられている10~20分ほどのコーチングタイムで、選手の激励やケアにあたりました。
コーチングでは、戦略指示や指導というより、選手のメンタルケアの役割が大きかったです。
みんな前半戦を経て徐々に環境に慣れ、感覚がつかめてきていると感じました。後半戦ではみんな自信を取り戻し、立ち回りも向上して素晴らしい戦いができていました。

SHELOM、史上初の日本代表5位!他デュオも健闘

  • ALBA契約選手の結果
    5位 SHELOMしぇろん(デュオ Nature所属:MKMKPAPAむきむきぱぱ選手)/賞金 $200,000
    38位 LARKPEXらーく & BOBYぼびー デュオ/賞金 $14,000
    45位 DAYDUSでいだす & STAINすていん デュオ/賞金 $12,000

なんとSHELOMデュオが、日本代表選手として初の5位入賞を果たしました!

試合には運も大切です。運次第ではもっと上位を目指せたかもしれない、という思いもありましたが、今回の結果にはとても興奮しました。
応援席の私たちも、日本からオンラインで試合を見守っていたい人達も、今回の結果には本当に感動しました。

現地で感じた世界との違い

海外勢、特に欧米とアジアのフォートナイト競技シーンについて、いくつか感じた違いがあります。
1つは、コーチが付いていること。欧米ではこれが一般的ですが、アジアの選手にコーチが付いてることはあまりありません。このサポートの差は、競技力の向上にも影響していると思います。
2つ目は、eスポーツをする環境が整っていることです。欧米では競技用の施設などが整備されていて、選手たちは練習に励むことができます。

これらの違いは、競技の結果にも影響していると感じました。今後、日本でもっとeスポーツを盛り上げていくためにも、重要な点だと思います。

これからの日本のeスポーツシーンについて思うこと

今回の世界大会を現地で経験し、世界のeスポーツの現状や、その熱狂と盛り上がりを肌で感じました。それは私の「日本でもeスポーツをもっと盛り上げてたい」という思いをより強くしました。

日本のeスポーツシーンには、まだまだ偏見や誤解があります。「スポーツといえばサッカー、野球」という認識も強いです。

eスポーツも素晴らしいエンターテインメントであり、競技力や戦略性が求められるスポーツの一つです。一度その魅力を知ってもらえたら、みんながもっと応援したくなる競技だと私は思います。

日本国内でもeスポーツの認知度が高まり、理解が深まっていくことで、”スポーツ”として広く受け入れられる日が来ると期待しています。
私もeスポーツ選手として、AJSに関わる一員として、その役割を果たしていきたいと思います。

無事帰国! デュオのパートナーも一緒に

最後までお読みいただきありがとうございました!

■まいぽり
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■世界で戦う選手を育成する「ALBA JAPAN SERIES CHAMPION SCRIM featuring fortnite(AJS)」
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■木村情報技術のeスポーツ事業
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