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「貧乏をさせたくないから産まない」という大人たち

世界を見渡すと、裕福とされる先進国の出生率は減少を続けています。 逆に発展途上国の出生数は高い水準を維持しています。
お金のない国や人ほど、沢山子どもを産み育てているというのが現状です。

しかし日本という国の中でみると、完全にそうとも言えません。
現在日本で貧困にあえいでいる大人世代は、子どものころから貧しかったり厳しい環境で育ってきた人々が多いです。
そんな中で、貧乏のつらさやみじめな気持ちを幾度も経験することになります。
物心がつき友達の家に遊びに行くようになると、自分の家との経済的な差を感じはじめ、習い事や持ち物の格差を痛感し、進学する際の選択肢の差に愕然とします。
奨学金の有無や社会人になってからの金銭的なサポートの大きさも計り知れません。 自分は生活費を全て稼ぎ奨学金の返済に取り組む一方で、恵まれた同期は奨学金を返す必要もなく、家賃や高い車などを親から補助してもらってる。

『自分のような惨めな思いを子どもにさせたくない』、という親世代が出てきても不思議ではありません。 ネットで周りの生活レベルが可視化されるようになり、さらにこの傾向は顕著になったのではないでしょうか。
親ガチャなんて言葉もこのあたりから生まれたのかもしれませんね。

また一般的に貧困な家庭ほど教育に熱心ではないので、子どもの学歴も高くなることはなく収入的に恵まれない場合が殆どとなります。
子どものころから我慢を強いられることが目立ち、お金で苦労して周りとの格差に苦しむ。

【どうせ苦しむならば子どもは産まない方がいい】という昭和ならば絶対に受け入れられない考えを持つ人も、今では決して珍しいものではないのでしょう。
せっかく苦労して産み、育てたとしても『ウチの親ガチャはハズレだな』なんて言われたらどうでしょうか。
『貧乏をさせたくないから産まない』この問題は非常に根深く、今でも徐々に広がりつつあります。

貧乏は自分で終わらせよう。
そんな考えの人が増えると、ますます子どもは減っていくことでしょう。