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何度でも言う お見合いしなさい

NHKの朝ドラ、「虎に翼」を見ている。
結局東大卒の親を持つお嬢さんが法曹の道に進む話か。
恵まれた家庭の才能に恵まれたお嬢さんの話だと思うと見る気持ちにならなかった。

しかし、うちの職場、朝ドラ見れちゃうんですよ・・・
消音ながら、つい文字を追って見てしまう。
すると、いかにも昭和の、これが当たり前、幸せの形とやらを娘に押しつけようとする。
女学校在学中にお見合いを重ねる主人公寅子。
なんでお見合いなんだろうって
本人も心が決まっていないままなので、何回も断られる。
本人は結婚に対する違和感だらけ。

なんで違和感なのか。
婚姻した女性は「無能力者」と称される。明治民法によると妻は「無能力者」で法律上の行為にはいちいち夫の許可が必要だったことを知る。
だから私は結婚がイヤだったのか。
寅子は思った。

寅子のお母さんは、まさに良妻賢母。
子どものことを第一に考え、夫を立て、家庭を切り盛りする。
そんなお母さんが、娘に口を塞ごうとする若者に怒り、あんなやつらに負けるんじゃない!とばかりに六法全書を買い与える。

頭の良い女が幸せになるには頭の悪い女のふりをするしかない

そんな言葉でお見合いをせよと説得を続けた母が、である。
それでも、何度でも言う、お見合いしなさい、と母は言うのだ。

女が好きなように生きられない時代に、好きに生きるということは地獄への切符を買うという表現にも涙した。

若さを売りに、見合いで結婚した方が絶対ラクだもんね。
わざわざ地獄への道を選ぶなんて、と母はあきれているだろうが、結局応援することになる。まあ、でないと物語はここで終わってしまうからな。

昭和の、そうだなあ、寅子の時代から50年後、私は高校の三者面談に赴いていた。母は、大学に行ったら嫁のもらい手がない、と大学進学に反対していた。何言ってんのこの人?と私はぼんやりと母を眺めていた。

それからさらに30年以上経った。時代は確実に変わっている。
昭和の窮屈な時代の寅子を半年、応援しようと思った。


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